第185話 諸侯集結
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を語っていることを父祖に誓います」
碧は真摯な表情で正宗を見ていた。
「碧、私はお前を疑っているわけではない。ここからは他言無用だ。誰にも話すことは許さない。分かったか?」
正宗は鋭い目で碧と翠を見た。彼の急な雰囲気の変化に翠は戸惑っていたが、碧は一切動じず頷いた。
「碧、お前は誰が皇帝陛下を退位させ陳留王を皇帝に即位させたと睨んでいる。推測でも構わない。ここでの話を外に漏れることはない。忌憚なく申せ」
「賈文和が疑わしいと思います。大それた真似をしようという者は董仲穎の側に彼奴しか居ません」
正宗は碧の口から賈?の名を聞き表情を険しくした。桂花は碧を危険視している様子だったが、正宗の判断に従うつもりなのか正宗のことを見ていた。碧の発言は危険だった。反董卓連合は董卓の暴政に反対して結成された集団だ。その理念を崩壊させかねない碧の発言は大問題だった。ただ、碧はこのことを言いふらかすつもりはないように感じた。もし、碧にその気があれば既に行動に移しているだろう。碧はただ正宗の信頼に応えようと思って正直に話しただけだと思えた。その判断は正宗も同じだった。
「貴重な意見を聞けた。碧、もし仮に事実であれば、お前はどうする。この私を裏切り董仲穎の元に走るか?」
正宗は碧の答えを予想しているような冷静な表情で質問した。
「変わりません。私は一族を守らねばなりません」
碧は一瞬迷いを感じたように沈黙するも董卓との決別を口にした。彼女はできるなら董卓を助けたいと思っているように見えた。だが、それを許されないと自分に言い聞かせているように見えた。正宗はその様子を見逃さなかった。
「碧、お前は私に忠誠を誓えるか? 忠誠を誓えるなら、お前の胸につかえるものを取り除いてやろう」
碧は表情を変えるが、正宗に警戒するような目を向けた。正宗は笑みを浮かべた。
「そんなに警戒せずともいい。私は全てを知っている。その上で反董卓連合に加わっている。本当は上手く董仲穎を抱き込むつもりであったが上手くいかなかったのでな」
正宗は自嘲するように碧を見た。馬超は場の空気に堪えきれないのか顔を伏していた。彼女は正宗の話から陰謀の危険な臭いを感じたのだろう。だが碧は違った。正宗の話を興味深そうに耳を傾けていた。
「碧、お前が私に忠誠を尽くし私の出す役目を全うするつもりがあるなら、今宵私の元を訪ねよ。内々に話したいことがある」
翠は正宗の言葉を勘違いしたのか顔を紅潮させていた。碧は正宗の真意が読めないが、話の流れから董卓に関わることと理解したようだった。彼女は迷わず頷いた。
「話は終わりだ。碧、翠。下がっていい」
碧と翠は正宗に拱手し陣幕から退出した。
「馬寿成をそこまで信じても良い
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