第185話 諸侯集結
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人質は無用と言っている。この場に居る者達は董卓の暴政に義憤を抱いた有志である。その有志より人質を取るなど出来ない。それにな。馬寿成、私はお前を信じている。だから人質は必要ない」
正宗は真っ直ぐに馬騰を見据えた。その言葉に馬騰は感服した様子だった。桂花は正宗の考えを思い出し、馬騰の正宗への心象をよくするためだろうと理解していた。
「車騎将軍、勿体ないお言葉でございます」
「良き働きを期待している」
馬騰と馬超は揃って拱手し頭を下げた。
「車騎将軍、不躾ではございますが私の真名をお受けいただけないでしょうか?」
馬騰は顔を上げると正宗に言った。
「それは嬉しいな。喜んで受けよう」
「私の真名は碧です」
「私の真名は正宗だ。私のことを真名で呼ぶことを許そう」
「正宗様、謹んで真名をお預かりいたします」
碧は正宗から真名を預かったことに感激しているようだった。馬超は碧が真名を預けたことでそわそわとしていた。その様子に正宗は気づいて声をかけた。
「馬孟起、如何した」
馬超は正宗に突然声を掛けられ驚いた様子だった。
「いえ! 何もありません! いえ! あります! 車騎将軍、私も真名をお預けします。私の真名は『翠』です」
翠は挙動不信気味に声をうわずらせて正宗に言った。彼女は碧が突然真名を教えたため、展開に着いて行けずにいたようだ。
「私の真名は正宗だ。翠、よろしく頼むぞ」
翠は拱手すると正宗に笑顔で応えた。
「ところで。碧、お前は董仲穎と直接の面識はあるか?」
正宗は徐に話題を振った。彼の話に碧は表情を曇らせる。正宗は彼女が董卓と面識がある踏んだ。董卓から偏将軍(将軍に任命された部隊長)に任じられたのだ。賈?が完全に前面に出て董卓は後ろに控え表に出ない可能性もあったが、直接面識が会ってもおかしくはない。
「董仲穎は心優しき人物です。皇帝陛下を力で退位させるなど、私には到底信じることは出来ません」
碧は語り出した。その様子に翠は驚く。翠は「喋ってもいいの?」と顔に書いていた。翠は折角正宗に信任を得たのに、自ら不信を買いかねない董卓擁護の言動を懸念したのだろう。翠はちらちらと正宗のことを窺っていた。
「そうか。だが、皇帝陛下は退位させられ王に降格させられたことは紛れもない事実だ。皇帝陛下を王にするなど前代未聞の大逆という他にない」
正宗は碧の発言を聞き、碧が包み隠さず正宗に証言していることを確信した。彼の董卓像と一致しているからである。ここで碧が偽りを述べれば、正宗は碧を信頼せず冷遇することを選んだだろう。
「車騎将軍、それは事実でございます。この後に及んで董仲穎を庇うことは無理なことと存じています。ですが、私は事実のみ
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