第185話 諸侯集結
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ように揚羽が言うと、冥琳、朱里、雛里、桂花も同じく肯定した。正宗も彼女達の意見に賛成し頷いていた。
「正宗様、馬寿成の件でお話したいことがあります」
泉が正宗に声をかけた。
「馬寿成が何かしでかしたのか?」
「いいえ。正宗様との面会を希望しています」
泉は言いづらそうに正宗に言った。その様子から何か事情があるように見えた。
「そう言えば。馬寿成が私の元にも来ていましたね。しつこかったので丁重に『折を見て』と返答していましたが、泉さんのところにも行っていたんですね」
朱里は困った顔で泉のことを見た。
「涼州人の偏将軍など後回しでいいと思います」
桂花が淡々と正宗に意見した。その口振りは涼州人に対してあまり良い印象を持っていない様子だった。
「馬寿成は涼州の豪族だ。彼女の親の代で没落したが、彼女の才覚で建て直しに成功している。会って損はない」
「お言葉ですが、馬寿成の母は羌族です。それに馬寿成は賊軍に組みした過去があります」
桂花は正宗の考えに苦言を呈した。彼女は馬騰が蛮族の血筋を引くこと、賊軍に組みした過去を懸念しているようだった。儒家の大家である荀子の末裔である桂花なら当然の考えと言えた。
「羌族を取り込むためであろう。馬寿成の父は土地に根ざした豪族だ。蛮族とはいえ不必要に殺し合う必要もないと思うがな。それに馬寿成が賊軍に組みした理由は情状の余地はある」
正宗は馬寿成が賊軍に組みした経緯を桂花に説明した。端的に説明すると、馬騰の上司が殺害され賊軍につかなければ死ぬ状況だったということだ。この状況での馬騰の判断は悪くはない。
「賊軍に破れた後は朝廷の臣下としてよく働いていたと思うがな」
「朝廷の臣下というより、董仲穎の子飼いの武将の一人のように思いますが」
桂花は厳しい表情で正宗に意見した。これが彼女の本音なのだろう。馬騰に色々と理由をつけていたが、馬騰は没落後に董卓に拾われ引き立てられた。重用とまではいかないが、実力を認められことは間違いない。馬騰は多少なり董卓に恩を感じていてもおかしくはない。
「そうだな。だが、馬寿成の過去を見れば情勢を見抜く洞察力はあると思うがな」
「賊軍に組みし朝廷が派遣した官軍に叩き潰されました。勝てぬ戦いでも一度与せば裏切らない人物と思います。お考え直しください」
桂花は正宗に馬騰と面会することを止めさせようとした。
「桂花、お前自身が馬寿成に会う価値がある言っているではないか」
「私はその様なことは言っていません」
「一度与せば裏切らない。馬寿成は卑劣な手段で敵を欺く真似はしない。私の軍勢に参陣し裏切るなど、馬寿成の矜持が揺るさんだろう。賊軍を見限った振りをし、皇甫嵩率いる官軍に組みすることもできた。
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