第185話 諸侯集結
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劉協は皇帝に即位した。劉弁は表向きは自ら退位したと内外に発表されたが、誰も信じる者達はいなかった。皇帝が退位し王に封じられるなど異常な事態であった。また、清流派の百官、王允を筆頭に朝廷の重臣が殺害されたことで司隷に近い州の諸侯達は「董卓の専横ここに極まれり」と嘆き激しく批判した。彼らが強気の背景は正宗軍十万が豫州と司隷の国境を越え軍を展開したことが大きかった。
賈?は正宗軍を警戒し正宗が誅殺されたと誤報を流すが、朱里と揚羽による正宗の直筆の書状を大陸中の諸侯達に送り董卓を討つべく合力を求めたことで賈?の労力は徒労に終わる。この書状は正宗にとって、諸侯達に対する踏み絵と言って良かった。合力を拒否した諸侯は董卓鎮圧後に各個叩き潰す段取りとなっていた。幽州牧・劉虞、益州牧・劉焉は正宗と同調する様子はなく静観の構えだった。
正宗は二万の軍勢を率い冀州を立ち、?州を経由して司隷入りした。この軍勢の中には揚羽、風、雛里、瑛千、客将として張遼が同行していた。道中、華琳と秋蘭、そして正宗の姉・燐が合流してきた。正宗軍は?州勢と合流し五万に増大した軍勢と共に、正宗軍本隊と合流した。正宗が到着すると主立った正宗陣営の諸侯は着陣していた。美羽は五万、炎蓮(孫堅)は六千、麗羽は一万、袁遺は一万、華琳一万六千の軍勢を率いていた。
正宗は朱里と合流すると、内々の会議をはじめた。この場所には正宗陣営の諸将が全員集まっていた。
「揚羽。朱里。諸侯の集まりはどうだ」
正宗は現状を朱里に聞いた。
「今集結している諸侯のみで洛陽に向かえばよいと思います。我々だけで二十四万の軍勢です。諸侯の助成など不要ですが、体裁上集まった諸侯達にも同行していただきましょう」
「集まった諸侯達の名を教えてくれるか?」
「?州東郡太守・橋元偉が五千。徐州刺使・陶恭祖が一万。涼州の馬寿成、その娘・馬孟起が二千。残りは我々の軍の威勢を聞きつけ戦功を求めて集った者達です」
朱里は橋瑁・馬騰・馬超・陶謙の名前を出した。
「馬寿成? 董仲穎から偏将軍に任官されていたな」
正宗は朱里を見ながら訝しんだ。
「既に、張文遠同様に董仲穎の元を去っています。率いている兵は涼州からかき集めてきたのでしょう。車騎将軍、董仲穎を糾弾する檄文を書かれた橋元偉殿とご面会ください」
荀爽が正宗と朱里の会話に割り込んできた。彼女は清廉で知られる橋瑁を動かし反董卓連合軍を集めるための檄文を書かせた。正宗と利害関係がない橋瑁に檄文を書かせたことは大きい手柄だった。事実、今集まった軍勢に対すして庶民達は実態はどうであれば正宗軍ではなく、悪逆人董卓を討つために集った正義の軍と印象づけられていた。
「橋元偉殿とは最初に会ったほうがいいでしょう」
荀爽に同調する
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