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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第四十七話 宇宙艦隊司令長官の交代です。
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隠さない様子で、グレーザーに言う。遥か年下の若造男爵ではあったが、グレーザーは頭を下げるしかなかった。何しろ相手は門閥貴族、こちらも貴族の端くれとはいえ、爵位がないのだから。

「はぁ・・・」
「ま、よい。その日々ももう少しで報われるというもの。今少し待て。グリューネワルト伯爵夫人など、その弟が戦死すればその科に結び付けて、いつでも失脚させることができる。だが、今の現状ではあの女には隙が無い」
「男爵閣下のご配慮に感謝いたします・・・・」
「うむ。邪魔をしたな」

 フレーゲル男爵は頭を下げる使用人たちの真ん中を轟然と胸を張って通り過ぎ、玄関先に待たせておいた車に乗り込んで姿を消していった。

「やれやれ・・・」

 ほうっと息を吐いたグレーザーに、メイドの一人が近寄ってきた。他の者はそれぞれの仕事に戻るために早くも姿を消している。

「ようやく日の目が出そうですわね」

 ヴァネッサが話しかけてきた。

「だといいがな。このあたりでそろそろきりにしてほしいものだ」
「3度はおろか、すでに何度も失敗を経験していると、そういう志向になってしまうのも、無理からぬことですわ」

 ヴァネッサは軽くグレーザー医師の腕に手をかけた。

「ですが、お忘れなく。途中で抜け出すことはいかなる理由をもってしてもかなわぬこと。最後まで見届けになるのですわ」

 グレーザー医師はうなずくほかなかった。その顔は憔悴の色が出ている。

「まぁ、ドクトル。少しお疲れのようですわね。午後は幸い侯爵夫人も何もおっしゃらないと思いますし、少しお休みになってはいかがですかしら?」
「・・・そうさせてもらおう」

 グレーザー医師はうなずくと、自分にあたえられた部屋に重い足取りで戻っていく。その様子をヴァネッサはじっと腕を抱くようにして見守っていた。



 一方、中将になったラインハルトとイルーナはやることがあった。分艦隊と比較にならないほど大規模な艦隊を率いる以上、優秀な中級指揮官が必要になる。元帥になれば元帥府を開くことができ、裁量権の範囲内で自由に将官を選抜できるのであるが、中将ではまだまだそれができない。それでも、一個艦隊を率いる以上はある程度は自分の息の合った人材を登用したいというのが願いである。

 幸い、マインホフ元帥はアレーナの大叔父であるし、二人のことはアレーナから何度も聞いていた。そこで、二人はアレーナを通じてこっそりと人事異動リストにそれぞれの希望を入れることにしたのだった。
 ラインハルトは副官にキルヒアイス大佐を、参謀次席にミュラー准将を、分艦隊司令官にロイエンタール准将、ミッターマイヤー准将、ワーレン准将、アイゼナッハ准将を登用した。ワーレン准将、アイゼナッハ准将は以前からのラインハルトの知己で
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