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歌集「春雪花」
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 逢えぬ間の

  苦しみ倦ね

    眺む夜の

 星のなかりき

     空ぞ虚しき



 ここにいない彼…会うことの出来ないこの時間は、ただ苦しむためだけの獄…。

 諦めることも出来ず…追い掛けることも出来ず…。

 溜め息をついて見上げれば、空には雲がかかり…星の一つも見えはしなかった…。

 なんと虚しく…無情なことか…。



 よすがなる

  愛し君との

    思い出も

 いつかは褪せて

   消えしものかな



 然して多くはない彼との思い出…。

 そのどれもが大切で…そのどれもが愛おしく…。

 そのささやかな思い出さえ、時は少しずつ削ってゆき…いつかは遠く翳り、色褪せて行くのだろう…。

 どれだけ彼を愛したとしても、私には絶対に彼の愛は手に入らないのだから…。




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