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遊戯王GX〜鉄砲水の四方山話〜
ターン53 鉄砲水と黒騎士の刃
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 高校生2人が目の下に隈を作りながら不気味な笑顔でじゃんけんするという無駄に気持ちの悪い、今夜の夢に出てきそうな光景を見せつけられはしたが、今回の挑戦権は万丈目が先に勝ち取ったらしい。

「さあ、行くぜ〜?」
「じゃあ、僕は向こうのことデュエルしてくるッスよ」
「葵ちゃん……いや、こっちはこっちでデュエルと洒落込もうか、ね!」

「「デュエル!」」

 先攻は僕……あのモンスターに来てほしかったけど、ないなら仕方がない。

「僕のターン、キラー・ラブカを守備表示で召喚!これでターンエンド!」

 キラー・ラブカ 守1500

 ラブカの陰に隠れて、じわじわとさりげなく後ろに下がっていく。1歩、2歩、3歩……よし、ここで止まっておこう。

「俺のターン、レスキューラビットを召喚。そのまま効果でこのカードを除外してデッキからレベル4以下の同名通常モンスター、闇魔界の剣士 ダークソードを2体特殊召喚する」

 闇魔界の剣士 ダークソード 攻1800
 闇魔界の剣士 ダークソード 攻1800

 漆黒の鎧で身を包んだ闇の剣士……あんなカード、ただでさえごちゃ混ぜ状態でパンパンな万丈目のデッキには入っていなかったはずだ。翔のダークジェロイドといい、ゾンビ化した生徒はデッキをいじりたくなる傾向でもあるのだろうか。

「まだだ。魔法カード、融合を発動。俺は手札の漆黒の闘龍(ドラゴン)と、場のダークソードを融合。来い、闇魔界の竜騎士 ダークソード!」

 廊下の向こう側から矢のような勢いで飛んできた小型の龍に、ダークソードがその鎧の重さをものともしない動きで素早く飛び乗る。その手綱を素早く操って闘龍を制止させ、竜騎士となったダークソードがその剣をこちらに向けた。

 闇魔界の竜騎士 ダークソード 攻2200

「バトルだ!闇魔界の剣士で、キラー・ラブカに攻撃!」

 闇魔界の剣士 ダークソード 攻1800→キラー・ラブカ 守1500(破壊)

 龍を持たない剣士の一撃が、とぐろを巻いていたラブカをバッサリと切り裂く。その風圧にたまらず目をつぶり、再び開いた時には、すでに音もなく竜騎士が目の前まで迫っていた。

「竜騎士でダイレクトアタックだ!」

 闇魔界の竜騎士 ダークソード 攻2200→清明(直接攻撃)
 清明 LP4000→1800

「ぐっ……!」
「この瞬間、竜騎士の効果が発動する。戦闘ダメージを与えたことで、相手の墓地のモンスターを3体まで除外!キラー・ラブカには、効果を使う前に退場してもらおうかあ」

 キラー・ラブカは万丈目の言うとおり、墓地にあってこそ真の力を発揮するモンスター。効果を使う前に除外されては、実際どうしようもない。
 
「フィールド魔法、遠心分離フィー
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