第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#5
TOWER OF GREY〜Illegal Needle〜
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で神の啓示のように、静かに降り注ぐ奏者の声。
「無駄だ。お前の 『能力』 は、そのスピードと精密動作性に
(スタンドの)エネルギーの大部分を費やすタイプのモノ。
だからその代償としてパワーが弱い。蟲型をしているのが良い証拠だ。
最後の最後で自慢のスピードに脚を掬われたな?」
(!!)
満足に動かせない羽根と完全に拘束されている手足の先を震わせながら、
奇虫のスタンドは花京院のその恐るべき慧眼に息を呑む。
(試して、みるか……)
その両者を遠巻きに見つめる無頼の貴公子は、
『近距離パワー型』 で在る己のスタンドの射程距離、
半径2メートル以内には踏み込まず有効射程圏内から遙かに離れた位置でスタンドを
出現させゆっくりと攻撃態勢を執らせる。
(何、する気?その位置じゃ、おまえの攻撃は相手に届かないわ)
青年の特製の学生服で覆われた広い背中を見つめながら、
少女は彼の 『能力』 を知る者なら当然の疑問を心中で口に出す。
その、次の瞬間。
(……)
青年のスタンド、 『星 の 白 金』 の右掌が、
バラ手で胸の前に添えられていた手の甲側を滑るように撫でる。
まるで熟練の奇術師のように、その手が滑った後の左手には
ソコに “本来在るべき筈のモノ” が無くなっている。
ソレは。
スタープラチナの両手に装着された、
鞣し革のような独特の質感を携える剥き身のベアナックル。
その拳部分に無数穿たれた、紅世の刀剣すらも易々と破壊する鉄鋲。
着脱可能だと知ったのは、実はごく最近のコト。
いつかの少女の言葉を思い起こし、己のスタンドをより注意深く観察した結果。
そしてスタープラチナは取り外した無数の鉄鋲を平に構えた右掌内で、
まるで投 石 機のようにギリギリと牽き絞る。
スタンド・パワーを集束すれば “贄殿遮那” にも匹敵する斬れ味を
生み出すスタープラチナの指先。
その指先で以て撃ち出される、云わばスタンドの散弾。
その威力は推して知るべしであろう。
やがて、ライフルの高性能スコープにもまるで引けを取らない照準率を誇る
スタープラチナの眼が、空間に拘束された 「標的」 の着弾箇所を精密に
割り出す。
ソレと同時に無頼の貴公子の口を衝いて出る、
新たなるスタンドの流法名。
幽塵疾走。星貫の烈撃。
流星の流法
『流 星 群 烈 弾ッッッッッ!!!!!』
流法者名−空条 承太郎
破壊力−A スピード−A 射程距離−B(30メートル前後)
持続力−E(実質2発が限界) 精密動作性−B 成長性−C
輝く白金の閃光と共に、空間に一斉射出されるスタンドの
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