火砲・ミサイル解説解説(日本編)その1
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。そして、このずんぐりした形状の地対地ミサイルは1991年の湾岸戦争において32発が初めて実戦デビューし、100km以上奥地のイラク軍ミサイル陣地や補給・指揮施設をことごとく破壊したという。
ただし、ATACMS大隊(24両のM270自走発射機)はミサイルの射程が普通の砲兵に比べて5倍以上も長いため、単独では任務が果たせない。何しろ、敵の居所が分からなければ攻撃のしようが無いからである。そこでATACMS大隊は、E-8対地電子情報偵察機や人工衛星からのGPSなどの長距離偵察手段によって、正確な目標情報の提供を受けて作戦を遂行する。
湾岸戦争で使われたATACMS地対地ミサイルは、「ブロックI」と呼ばれる。ミサイルのサイズは全長3.97m、直径0.61m、発射重量1,672kg、
弾頭重量561kg、そして最大射程は150〜180kmに達する。
M270自走発射機には、M26 227mmロケット弾の代わりにATACMSミサイル2発が装填される。目標に対する誘導は、慣性誘導システムにより行う。
ブロックIの弾頭には、M74子爆弾が950個収容されている。
この子爆弾はテニスボールより一回り小さいが、炸裂により880個の鋭利で高熱の破片が飛び散り、
半径15m内の人や施設を加害する。また、
1発のATACMSミサイルが炸裂した場合の加害範囲は500m×500mに及び、ミサイル2発を使えば敵が布陣する1km正面の地域を制圧できる。
ATACMS地対地ミサイルは非常に将来への発展性が大きいため、現在改良・発達型の開発計画が推進中である。「ブロックIA」は軽量化によって最大射程を300kmに大拡張するタイプで、その代わりM74子爆弾の収容数は310個に減らされている。
ただ最大射程が延びたことによって命中精度が落ちないよう、誘導装置には慣性航法装置に加えて飛翔中の誤差を修正するGPSが組み込まれている。
「ブロックII」はブロックIが人員や施設を標的にしていたのに対し、移動中の戦車や装甲車両を狙い撃つためのミサイルである(有効射程は25〜140km)。
そのため弾頭部には自由落下型の子爆弾の代わりに、ノースロップ・グラマン社製の「BAT」(ブリリアント対装甲誘導弾)を13発収容している。
BATは奇怪な形をした滑空型誘導子爆弾で、弾頭の赤外線センサー(IRシーカー)と4本のプローブ型音響センサーによって敵戦車を探知し攻撃する。ミサイルから放出されると、先端の音響センサーが付いた翼を展開して滑空しながら地上を走査。攻撃目標を探知すると搭載されたタンデム型成形炸薬弾を爆発させる。
「ブロックIIA」は最大射程を300kmに延ばしたタイプで、
改良型のBATを6発搭載している。このBATは音
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