火砲・ミサイル解説解説(日本編)その1
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右側のライト下に有線通信用端子が備わる。アンテナはデータ無線通信用と音声無線用アンテナからなる。指揮装置には大隊指揮装置、
中隊指揮装置、小隊指揮装置、各指揮装置データ伝送装置の各種があり、シェルター式のものを73式大型トラック(1/2tトラック)に積載して運用される。弾薬車には74式特大型トラック(7tトラック)にクレーンを装備した車両が用いられている。
MLRSはロケット弾なら16発、ATACMSなら2発が発射可能で2種は混載できない。1両のMLRSで投射される弾量はロケット弾16発で約2128kgとされる。旋回発射機には迅速な再装填を可能とするクレーンが内蔵されているほか、
ランチャー上にホイストが内蔵されており、コンテナの交換に3分、第一波攻撃から第二波攻撃には8分かかる。
「M26 227mmロケット弾」は全長3.94m、
発射重量308kg、弾頭重量159kg、最大射程32km、弾頭に644個のM77子爆弾(対人・対物用)を収容している。MLRSは大量の子爆弾を目標上空にばらまいて一網打尽にするやり方で、誘導の無いロケット弾の不正確さをカバーしているのである。
16発のロケット弾がばらまく子爆弾の数は、10304発に達する。しかも、1発の子爆弾(重量230g)は約200m×100mの範囲を制圧することができる。車両等を直撃した場合には、厚さ40mmのRHA(均質圧延装甲板)を貫徹できる。また子爆弾にはドイツのダイナマイト・ノーベル社製のAT2(対戦車地雷)もあり、ロケット弾には28発入っている。
これは一種の空中散布地雷であり、厚さ140mmのRHAを貫徹する炸裂力を有する。
現在、MLRSはさらにシステムの近代化が続いている。改良されたM26A1 227mmロケット弾は、45kmの最大射程を実現している。ただしロケット・モーターを大きくしたため、子爆弾の収容数は518発に減らさざるを得なかった。
さらに低価格のGPS(Global Positioning System:衛星位置測定装置)を装備してより正確な飛翔を制御する「誘導MLRS」と呼ばれるロケット弾の開発も行われている。また自走発射機も「M270A1」と呼ばれる改良型が登場している。M270A1自走発射機ではFCSが近代化されると共に、
発射機のメカニズムの改良でロケット弾の再装填時間が、
従来の93秒から16秒へと大幅に短縮されている。
(MGM-140 ATACMS地対地ミサイル・システム)
現在アメリカ陸軍と陸上自衛隊が戦場で使える射程距離100km超級の地対地ミサイルは、MLRSのM270自走発射機から発射されるMGM-140 「ATACMS」(陸軍戦術ミサイル・システム)ただ1つとなっている
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