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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第四十六話その3 友達や部下の心情把握は重要です。
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のことを知ったのはあの子から相談されてからでした。ごめんなさいね。そうと知っていたらもっと早くするようにせかしたのですけれど。失礼でしょうと、私からよく言って聞かせました。許してくださいね」

 大切に包装された透明な包みの中には、見間違えようもない、ミュラーの愛用のハンカチが入っていた。綺麗にたたまれて。

「許すも何も・・・・」

 ミュラーはそういうのがやっとだった。

「あの子はよくあなたのことを話題にしていたのですよ」

 イルーナが「これはあの子から言付かってきた手紙です」と言いながら、ミュラーに封書を渡した。

 信じられなかった!!フロイレイン・フィオーナが俺のことを、忘れていなかったとは!!話題にのぼせてくれていたとは!!しかも手紙を付けてハンカチを返してくれるとは!!!

 あまりのことにミュラーはどういっていいかわからないほど口ごもりまくり、それでもやっとのことで礼を述べながら手紙とハンカチとを受け取った。

「それと、卿が狙われる理由はイルーナ姉上から聞いて得心がいった。私とイルーナ姉上に任せてもらおう。少々ばつの悪い思いをするかもしれないが、卿を『暗殺者ども』から解放してやろう。良いか?」

 願ったりかなったりである。多少自分の身に不都合があったとしても、これ以上狙われるよりはずっとましだ。

「そして、やはり卿は休んだ方がいいだろうな」

 ラインハルトが笑みを浮かべながら言った。その笑みは冷笑でも失笑でもなく、部下の気持ちを汲んで見守っている上官の顔だった。

「休むが良い。そしてフロイレイン・フィオーナに手紙を書き送ってやることだな」
「し、しかし――」
「素敵な女性からの手紙を反故になさるのは、ミュラー少佐らしくはありませんよ」

 キルヒアイスが穏やかに言う。

「あの子もきっと喜びます。ぜひ書いてあげてくれますか?ミュラー少佐」

 こうまで言われたらむしろ断るのが失礼になる。ミュラーは「では、お言葉に甘えてそうさせていただきます。失礼します。」と敬礼し、背を向けたが、その足取りは飛ぶように軽く、あっという間に居住区に消え去ってしまうほど素早かった。

「感謝するわ、ラインハルト。キルヒアイス」

 イルーナが二人に顔を向けた。

「いえ、ミュラーは得難い部下ですし、私個人にとっても良い相談相手です。そういった人間が意気消沈しているのを見るのは忍びない」
「ええ・・・」

 イルーナはうなずきながらこう思っていた。

(部下思いのラインハルト、か。いつまでもそうあってほしいわ。昇進し権力を握っても、変わることのないように祈りたいわね)

 ラインハルトが原作においてケンプ、レンネンカンプらを「捨て石」にした感は否めなかった。本人が
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