七話:恋する乙女
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も何も良いことはありませんよ!」
「全くだ。彼女言う通り少しは運動してきたまえ。テスト明けで体も鈍っているだろう?」
『いつの間に入ってきたの、エミヤ』
気づけば勝手に部屋に入ってきたエミヤがジャンヌの援護に回っていた。
「言い争う声が聞こえてきたので何事かと思ってね。それと、散歩に行くのならお使いを頼まれてくれないか?」
そう言って食材のメモを渡してくるエミヤ。
『……しょうがないか』
「では、頼むよ。それと牛乳はできるだけ賞味期限が長いものを買ってくるように」
嫌そうな顔をしながらもメモとお金を受け取り頷くぐだ男。
そんな彼に一言プラスしてエミヤは台所掃除に向かっていくのだった。
「それでは決まりですね。近くのスーパーまで歩いて向かいましょう」
「しょーがないなぁ。ボクもついていくよ」
『それじゃあ、準備するから二人は先に玄関に行ってて』
二人に先に行ってもらっている間に財布を取り出しポケットに入れる。
それから二人を追って廊下を歩いていたところで再びエミヤに声をかけられる。
「待ちたまえ。エコバックを忘れているぞ」
『あっちで袋を貰うのはダメなの?』
「忘れたのか? あそこのレジ袋は有料だ」
さも当然のように語るその姿はやはりおかんであった。
ぐだ男の方もそれは重々承知しているので頷くだけで特に何も言わない。
しかし、今回は珍しくエミヤの方から一言付け加えてくる。
「それにしても……良い娘じゃないか。君が気になるのも分かるよ」
『え!?』
そんなに分かりやすい態度でジャンヌに接していたのかと焦り振り返るぐだ男。
だが、彼の行動にエミヤはニヤリと笑うばかりである。
「なるほど、やはりか」
『謀ったな、エミヤ!』
「私とて弟分が想いを寄せる相手は気になる。まあ、頑張りたまえ」
生温かな目で見つめられ、顔を赤くしながらぐだ男は撤退する。
そんな青春真っ盛りの弟分の後姿を満足気に見送りエミヤは今度は風呂掃除に向かうのだった。
『お待たせ』
「ぐだ男ー、なんだか顔が赤いよ?」
『な、何でもない』
二人の元に辿り着いたところでアストルフォに尋ねられブンブンと首を振るぐだ男。
そして、エミヤの言葉を思い出してチラリとジャンヌの方を盗み見る。
「どうかしましたか?」
『ううん。それより早く行こう』
しかし、すぐにばれてしまい顔を赤くして外に出る。
アストルフォは何も疑わずにその後ろに続き駆け出す。
ジャンヌだけはぐだ男の行動を不審に思い首を傾げるが何も言うことなく彼に続くのだった。
「クーちゃん! クーちゃん! あのパン見た目も可愛くてすっごく美味しそう!」
「あ?
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