七話:恋する乙女
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ぐだ男のベッドの上でぐだ男とアストルフォが汗をかきながら見つめ合う。
『……使ってほしい?』
「う、うん……使ってほしい」
静かな瞳で見つめるぐだ男に対しアストルフォは肌を上気させる。
『じゃあ、もっと感情を込めておねだりしないとなぁ』
「すぐに使ってほしいよぉ……」
恥ずかしそうにアストルフォは懇願する。
しかし、それだけではぐだ男は納得しない。
『もっと! なりふり構わず辛抱たまらん感じで懇願するんだ!』
「ボクもう我慢できないよぉ! 今すぐ好きに使ってぇ!!」
息を荒げ、火照った肌に艶めかしい汗を流しながらアストルフォは叫ぶ。
ぐだ男はそんなアストルフォに満足気に頷き静かに手を伸ばす。
『よし、じゃあエアコンつけようか』
リモコンのスイッチを押すぐだ男。
爽やかな冷気に当たりながらアストルフォはゴロリと横になる。
「あー、暑かったぁ。もう、こんな暑いのに扇風機だけじゃ無理だよぉ」
『家のエミヤが使いすぎは体に悪いって言うから』
同じようにベッドの上に転がりながら訳を話すぐだ男。
冷房を使いすぎると自律神経が弱まり結果的に熱中症などにかかりやすくなる。
その危険性をエミヤは注意しているのだが暑いものは暑い。
「……あの、先程のやり取りは意味があったのでしょうか?」
『ただの遊び。ジャンヌもやる?』
「い…いえ、私にはとてもできません」
禁断の道に進んでしまうようにも見えたやり取りに顔を赤らめるジャンヌ。
学校帰りに二人に遊びに誘われた彼女であるが他人の家であそこまでくつろぐことはできない。
「やればいいのに、楽しいよー」
「貴女はもう少し節度をもった行動をしてください。人のベッドの上でくつろぐなんて……」
「えぇー、いいじゃん別にぃー」
『俺も別に構わないし』
完全に脱力した状態で寝転がる二人にはジャンヌの言葉は届かない。
そのことに溜息をつきながらジャンヌは二人の下に行き―――
「しっかりしなさい!」
デコピンをお見舞いする。
「いったー……なにすんのさぁ」
「二人共ダラケ過ぎです。節度のある生活をするべきです」
『ここにもおかんが……』
元来、優しくそして厳しい彼女は怠惰を許さない。
相手のことを思ってのことだがスパルタ的な指導に二人はうめき声をあげる。
「もうすぐしたら涼しい時間になるので散歩にでも行きましょう」
「えぇっ!? おにー! あくまー!」
『俺達をエデンから追放するというのか…!?』
死刑宣告にも等しい提案に猛抗議を上げる二人。
だが、ジャンヌの意思は曲がることはない。
「文句言いません! ダラダラしていて
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