第24話
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達に報告すること!」
「はいっ!」
そしてサラ教官の指示にリィン達は力強く頷いた。
「―――兄様。やっぱり私、納得行きません。」
「エリゼ……?」
「家督を継がないことも、そのために士官学院に入学したという事も……そして、それ以上に兄様はまだ迷っている……自分の道を見失っている。――――そうではありませんか?」
「…………………………ああ…………そうだな。だが、”今回”は……自分自身を取り戻すことができた。多分、この学院に入ってから少しずつ前に進めているからだと思う。俺なりのペースで……みんなと一緒に協力しながら。」
エリゼに問いかけられたリィンは静かに頷いて答えた。
「リィン……」
「……えへへ……」
「ふふっ………」
「父さんや母さん、もちろんエリゼにも納得してもらえる答えを出すつもりだ。だから……歯がゆいかもしれないけどしばらく見守っていて欲しい。不甲斐ない兄で申し訳ないけどさ。」
「兄様………」
リィンは自身の決意をエリゼに伝えたが
(クスクス、その答えの中には当然エリゼお姉さんをリィンお兄さんのお嫁さんにする事は入っているのよね?何せ、リィンお兄さんはエリゼお姉さんのファーストキスどころか処女まで奪っちゃったし、しかもエリゼお姉さんに将来リィンお兄さんのお嫁さんにしてくれって頼んだ時、”責任を取る”―――つまりエリゼお姉さんと結婚する事を了承したのでしょう?)
(うっ……!)
(レ、レンさん………)
自分とエリゼの間に来たレンに囁かれると唸り声を上げて疲れた表情になり、レンの囁きが聞こえていたエリゼは嬉しそうな表情で頬を赤らめた。するとその時放送が入った。
まもなく2番ホームに帝都行き旅客列車が到着します。ご利用の方は、連絡階段を渡ったホームにてお待ちください。
「あ…………」
放送を聞いたエリゼは寂しそうな表情をした。するとリィンがエリゼに近づいてエリゼの頭を優しく撫でた。
「に、兄様……!?」
「―――近いんだし、すぐにまた会う機会はあるさ。話の続きはその時すればいい。」
「あ……わかりました。絶対ですからね……!」
そしてエリゼはリィン達に見送られ、列車に乗ってトリスタから去って行った。
〜現在・トールズ士官学院・グラウンド〜
「うーん、でもリィンってかなりのシスコンだったんだね。エリゼちゃんの方はブラコン以上って感じだったけど。」
「う”っ。」
「クスクス♪」
エリオットの指摘でレンに焚き付けられたとはいえ、エリゼに純潔を奉げられた夜を思い出したリィンは唸って冷や汗をかいて表情を引き攣らせ、その様子を見ていたレンはか
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