第二十話 小さくなる身体その六
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「その時大事にしようって思いまして」
「だからなんだね」
「今もです」
「節約は心掛けてるんだね」
「はい」
その通りという返事だった。
「そうしています」
「立派だね、それは」
「立派ですか」
「その歳で節約を身に着けてるなんてね」
「いえ、節約しないと」
それこそとだ、優花は岡島にかえした。
「お金って大事ですから」
「無駄遣いをすればすぐになくなるだね」
「そうしたものだって子供の頃教えてもらいまして」
「ご両親にかな」
「はい、凄く強く」
「成程ね、だからなんだね」
「それに実際お小遣いって使ったらすぐになくなりますから」
自分の経験もあってというのだ。
「それでなんです」
「節約をだね」
「お家のことでも心掛けています」
「そうなんだね」
「まして姉さん本当にそういうことはわかってなくて」
節約のことはというのだ。
「食材とかは」
「そうした人いるよね」
「本当に男の料理なんです」
その作り方、特に食材の調達の仕方がというのだ。
「高くても美味しいものを買うんです」
「安くて美味しいものをだね」
「買うのが筋なんですけれど」
「つまりスーパーで安いものを売ってたら」
「はい、そこからその日作るお料理を考えるものですけれど」
優花のやり方ではというのだ、これは完全に主婦の行動だ。
「姉さんは作りたいものをです」
「作るんだね」
「そうした人ですから」
「そうしたら必然的に高くなるね」
「節約出来ないです」
「そういうことだね」
「はい、ですから姉さんは問題ですけれど」
ここでだ、優花は苦笑いになってだった。岡島にこうしたことも言った。
「今は一人ですから」
「うん、節約はね」
「出来てないと思います」
「思いきり男の料理を楽しんでるね」
「そうだと思います」
「あと飲んでると思います」
酒も楽しんでいるというのだ。
「僕がいたら注意してますけれど」
「まあ身体を壊さない位にね」
「そのぎりぎりまで飲んでると思います」
「そうだろうね、君の姉さんは豪放だけれど」
岡島も優子、優花の姉のことを知っているので言う。
「破滅型ではないからね」
「そうした人ではないですね」
「うん、横山やすしや坂口安吾とは違うよ」
「横山やすしですか」
「それか坂口安吾だね」
「坂口安吾は作家さんでしたよえ」
「無頼派のね、太宰治と同じ系列だね」
作家としてのそれはというのだ、太宰治も無頼派の中に区分されているのだ。
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