第十一幕 消えたボタンその二
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「そうかしらね」
「そうかもね、見たところ」
木挽の馬はそのつぎはぎ娘の横にいます。
「カルロスが一番食べてるかもね」
「うん、そうだろうね」
実際にとです、カルロスも答えます。
「僕が五人の中で一番食べてるね」
「それで一番元気だよね」
ボタンはカルロスに言いました。
「そうだね」
「うん、そうかもね」
否定しないで答えたカルロスでした。
「食べてそしてね」
「動いてるんだね」
「確かに今の方がよく食べてるよ」
ブラジルから日本に来た時の方がというのです。
「けれど動くこともね」
「それもだね」
「しているから」
それでというのです。
「同じかな」
「食べてだね」
「食べたらね」
「カルロスは動くんだね」
「動かないと気が済まないんだ」
どうしてもというのです。
「僕はね」
「そこがカルロスらしいね」
「ボタンもそう思うよね」
「実際にね」
「僕もそう思うよ」
カルロス自身もとです、ボタンに微笑んで答ました。
「そうね」
「よく食べてよく動く」
「それが僕だよ」
「じゃあ今日もだね」
「うん、朝からたっぷり食べてるしね」
「遊んでだね」
「身体を動かすよ」
まさにです、そうするというのです。
そしてです、実際にです。
この日は外でテニスをしました、王様はスポーツも遊びと考えているからです。
それでテニスコートでテニスをしてです、ボタンはこんなことを言いました。
「テニスっていいよね」
「凄く楽しいよね」
「うん、汗もかくしね」
ダブルスで一緒に組んだカルロスに応えます。
「いい遊びだよね」
「だからね」
それで、とです。カルロスは額の汗をタオルで拭きながらボタンに言うのでした。
「僕テニスも好きなんだ」
「サッカーだけじゃなくて」
「そう、もっと言えば野球もソフトボールも好きで」
それにというのです。
「バスケやバレーボールもだよ」
「好きなんだね」
「色々なスポーツがね」
「そうなんだね」
「そしてこのテニスもね」
好きだというのです。
「好きで結構しているんだ」
「そうなんだね」
「そう、じゃあね」
「うん、また僕達の番になったら」
「楽しもうね」
見ればジョージと神宝、恵梨香とナターシャ、オズマとジュリア、それに王様と王子がそれぞれダブルスを組んでいます。つぎはぎ娘と馬は観ているだけです。コートはとても奇麗でよくお掃除されています。
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