第46話 サソリvs麦野
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横たわり麦野の満足そうに笑った。
反則の反則
終わった後のあの対応も反則だった。
敵に服被せるバカがいるか。しかも重くて動けないし。
「最高の気分。ここまでやられたのはいつ以来かしら?」
久しぶりの心からの笑いだった。
「ん......?」
幻術に罹っていた絹旗が目を覚ましたようで、起き上がりながらキョロキョロと辺りを伺った。
「気付いた?」
砂に高速された滝壺が目線を横に向けながら、絹旗に問い掛けた。
「まだ超フラフラします......ってどんな状況?!」
隣には砂の塊に沈んでいる滝壺に、大の字で倒れて笑っている麦野というカオスな状況だった。
「んあ?ああ、気付いたようね絹旗......負けたわ。完敗」
絹旗の声に気が付いて、麦野が天井を向いたまま応えた。
「麦野が超敗北ですって?!」
「うん、すご〜く強かったよ」
「その割に超満足そうですけど」
「そうね。楽しみが増えた感じかしらね......また逢ってみたいわね」
麦野のあっけらかんとした笑いに絹旗と滝壺はホッとしたように息を吐き出した。
「任務は失敗したけど......どうでも良くなっちゃったわ」
「久しぶりに反省文書かされますかね」
「たぶんね、適当にでっち上げるわ」
「疲れた......」
こっくりこっくりと滝壺が舟を漕ぎ出した。
サソリの能力を掴むために張っていた緊張が解けたのであろう。
睡魔が襲ってきた。
「その状況で超寝れますね」
「......結構、あったかい」
ん?砂風呂みたいな感じ?
「ああー!?名前訊くの忘れていたわ」
麦野が声を上げた。
「麦野が興味持つって超珍しいですね......ん?どんな侵入者だったか?思い出せない......?」
??
絹旗は腕を組んで、頭を捻るが誰に倒されたのか?そもそも侵入者がいたのだろうか?
と不明確となっていた。
「何よ、呆けたわけ?」
「いや.......ん?」
写輪眼の能力により、記憶の改竄が行われており、絹旗にはサソリの情報が不明となっています。
すると、室内から片言の声が聴こえてきた。
「ソウカ」
直後、大の字に横になっている麦野の背中側から黒い手が這い出て来て麦野の身体を掴むと黒く侵食し始めた。
「!?」
「今度ハ、オレガ使ッテヤロウ」
突如として出現した黒ゼツが麦野の身体半分を覆い、自由を奪っていく。
「が......んぐぐ!て、テメェェェェ!」
何とか脱出を図るが、能力のスタミナが切れた今では徒労に終わる。
「弱ッタ身体デ抗ウカ......無駄ダ」
必死に抵抗を続けている麦野だったが、黒ゼツが出現させた闇の中へと引きずり込まれていった。
「麦野!」「むぎの!」
二人が声を出して、唯一自由が利い
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