暁 〜小説投稿サイト〜
艦隊これくしょん【幻の特務艦】
第十九話 沖ノ島攻略作戦その1
[5/10]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

沖ノ島の東海域におびただしい数の敵艦隊が半円を描くようにして接近してきたのだ。


後方を進んでいた長門以下の本隊に再び大淀から通信が飛び込んだ。
『第一艦隊から緊急入電!!』
「どうした!?」
『沖ノ島海域東方に大規模な敵の増援艦隊が出現!!少なくとも戦艦20、重巡30、空母10、軽巡以下多数が半包囲体制を敷きつつあります!!』
「!?」
長門の顔色が変わった。
『同時に北方で交戦中の第一水雷戦隊及び重巡戦隊より入電!!大規模な敵艦隊が沖ノ島海域と陽動部隊を分断するように出現!!航空隊の奮戦でわが軍が優勢ですが、敵は増援を繰り出してきたとのことです。』
「物量に物を言わせてこちらを包囲殲滅する気か!わかった。状況を随時報告してくれ。第一艦隊には緊急電文!!沖ノ島海域から全速力で離脱せよと伝えてくれ!それと、第二艦隊には第一艦隊と至急合流したのち、本隊と合流せよと伝えてくれ!!」
『わかりました!』
「みんな聞いたか!?一刻も早く第一艦隊を救援に向かうぞ!!」
一斉にみんながうなずいた中、一人尾張だけがわきを向いていた。
「第一艦隊なんか捨ててしまえばいいのに。戦場に向かえば本隊も無傷では済まないってことはわかりきっているでしょうが。」
尾張が小声で吐き捨てるように言ったのを皆が聞き逃さなかった。
「尾張、貴様臆したか!?だったらお前はここに残れ!!」
武蔵がどなった。
「臆した!?バカを言わないで。あきれ返っているのよ。小数を救いに行って多数が犠牲になるような無茶な作戦を取ろうとしている指揮官にね。」
「なんだと!?」
「やめなさい!!」
大和が二人の間に割って入った。
「こんな時に味方同士で争っている場合?!私たちには時間がないのよ!」
武蔵は唸るような鼻息を吐いた。
「貴様というやつは・・・・!後で覚えておれよ。」
武蔵だけでなく艦娘たちも一様に冷たい一瞥を尾張に投げてから、次々と海面をけって急進し始めた。
「姉様、本気であんなことを言ったのですか?」
ただ一人残った近江が尋ねた。心持声が震えていた。
「本気よ。アーケードゲームとは違うのよ。これは。」
そう言い捨てると、尾張は一人沖ノ島と違う方向に滑り出した。
「どこに行くんですか!?」
「逃げはしないわ。ただ、私は私なりの考えで動く!あんたはついてこないでいいわよ。私は一人の方がいいのだから。」
吐き捨てるようにそういうと、尾張は全速力で遠ざかっていった。
「・・・・・・・。」
後に一人残された近江は悲しそうな切ない吐息を吐き出すと、海面を滑り出した。長門たち本隊を追って。




 第一艦隊が包囲されたという急報は第二陣の第二艦隊にも大淀から報告された。
「わかりました!」
榛名はうなずいて無線を切ると、現在の状
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ