無印編
第1話 変わらない日常/変わっていた非日常
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、イリヤが戻ってくる気配がしたので口をつぐむ。
「じゃ、いってきまーす!」
花が咲くような笑顔を残して、イリヤが駆けだす。
「「「「いってらっしゃい。」」」」
「てらー。」
イリヤがバタバタと出かけて行って、真優が居間に戻ってくる。
「・・・兄様・・・。」
「ん?どうした?」
さっきまでの優しい少女の面影は何処へやら、魔術師・衛宮真優がそこには居た。
「結界の反応パターンを精査してみたんですが・・・魔力を使っているのは3人、うち2人は知らないモノを使っています。」
「ん?待って、真優、2人は?」
「はい、父様・・・3人目は・・・《カレイドライナー》です。」
「カレイドライナー!?カレイドステッキは《宝石翁》に渡したんじゃ・・・!?」
「えぇ・・・でも、現にこっちにあります《ムーン》は未完成、《キャスター》と《アーチャー》はわたしと兄様が持っていますから・・・。」
「《ルビー》か《サファイア》・・・下手すれば2本とも、か。」
「正直、あの愉快型魔術礼装なら宝石翁の所を勝手に抜け出してきても不思議じゃないですが・・・。」
「そうだな・・・俺の方で夜間の見回りは強化しておこう。」
「そうね・・・私とキリツグ、セラで使い魔もだしましょう、マユは結界走査でかなり負担がかかっているし・・・。」
「はい、奥様。」
「そうだね・・・魔術が関わる以上、恭也くん達の手は借りるわけには行かない・・・。」
「ありがとうございます、母様。」
そう言ってから、真優は土蔵の脇、石ころが集めて置いてある場所に行くと。
「■■■■―!」
理解不能の言葉を唱える。
すると、石は宝石のようなものに変化し、真優はそれをポケットに入れる。
「では、いってきます。」
「ん、いってらっしゃい。」
いつもの雰囲気に戻った真優は外へ出る。
それを見送り、土蔵に入り、その奥の隠し戸から工房へ入った俺は、嫌な予感がしていた。
カレイドライナー、《万華鏡の礼装》の契約者を示す言葉、そして、その万華鏡の礼装、カレイドステッキ。
――イリヤとか、ルビーの大好物じゃなかろうか。
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