相克する正義
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の傷では今の一瞬を凌いだところで失血であと数分と持たないだろ。」
「それだけ私も捨て身だということだ。人を殺すのだ、それぐらいの覚悟でなくてどうする。」
「そうかよ、だがなこっちは貴様の覚悟なんぞ知ったことか。己にとって貴様は己の女をぶち殺そうって悪鬼でしかないんだよ。」
「俺から見れば、てめぇは利己のためには世界がどうなろうと知ったことではないという悪漢に過ぎないんだよ。」
「はっ!何を寝ぼけた事を言ってやがる。男が女を守るなんざ―――最も原始的な正義その物だろうがよっ!
いいか、自称正義の味方。お前は初めの第一歩を間違えている。正義なんてのは公平に存在しているモノなんかじゃねぇ。てめぇが胸に抱えている正しいと思う理なら何でも正義になるんだよ!」
正義、その概念は三種存在すると言われている。
絶対、虚無、相対。
正義とはただ一つ存在する、正義なんてのものはこの世に存在しない、正義とは各々に存在し容易く悪と入れ替わってしまうモノ。
衛宮士郎は絶対正義者―――そして黒衣の男、斑鳩忠亮は相対正義者。
故にどちらも正義の味方であり、どちらも悪鬼なのだ。
「知っているさ、俺という存在が最初から間違えているってことくらい。だけど、俺は正義の味方を張り通すっ!!」
「ならば、その薄っぺらい思い込みをこの薄っぺらい世界ごと切り裂く!!」
無尽の剣聖と無限の剣製がいま、雌雄を決さんと刃金を打ち合わせる。
「その強固な意志、余さず漏らさず磨り潰してやろうっ!」
「往くぞ、木偶人形。この伽藍洞に溜め込んだ武器の貯蔵は十全かッ!!」
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