暁 〜小説投稿サイト〜
インフィニット・ストラトス 黒龍伝説
楽しむ蛇
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て口元に運ぶ。

「甘い。それも上品な甘さ」

「市場じゃあそこそこの人気だったな。そんでもってこいつが一番メジャーで美味しい摩り下ろし。摩擦で逆に温度が下がってシャーベットになる」

摩り下ろした方をスプーンで掬って口元に運ぶ。

「甘さ控えめになったけど、こっちの方がこの旨味が深い。けど、もっと美味しい食べ方があると思うんだ」

「ほう、どうやるんだ?」

「ん」

簪が人差し指で唇に触れる。何が言いたいか分かった。摩り下ろしたスノーアップルを口に含み、唇を重ねて口移しで食べさせる。口に含んだスノーアップルが無くなっても舌を絡め続けたままでいる。5分ほど経ち、ようやく離れる。

「うん。美味しい」

「まだまだ残ってるぞ」

「食べさせて。一番美味しい食べ方で」

「もちろんだ」

溶けてしまったスノーアップルをスプーンで掻き混ぜて冷やしてから口に含み、何度も唇を重ねる。愛した人が傍にいて肌を重ねられる。それだけで幸せだ。

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