男⇔女
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るためにもお互いを知っておこう」
「分かりました」
・・まあ、最悪俺は中身が女さんでもおしとやかになったと思われる程度で済むが俺が女さんの体でガサツな態度をとると女さんに迷惑がかかってしまう。
・・責任重大。しっかりと演じなければ。
それから最終下校時刻になるまでお互いの情報や振る舞いについて話し込むのだった。
・・・
「・・でけぇ」
俺は大河ドラマや時代劇に出てくるようなお屋敷の前で固まっていた。
「お帰りなさいませ。お嬢様」
固まっていてもしょうがないと門をくぐると着物を着た家政婦さんが玄関でお出迎え。
「お帰りなさいませお嬢!」
ごついお兄さんたちが俺(女さん)の帰宅に頭を下げる。
「・・我が家は昔からこの町を守る自警団なのですが・・権力も家の大きさも大したことはないので心配する必要はありません」
・・これが大したことないんですか?女さん?
俺、今から先生に血反吐を吐かせてでも早く元に戻りたいんだけど・・。
「「お嬢?」」
現実逃避することすら許されない状況・・・・ここは・・ここは・・
「・・(ニコ)」
笑顔で誤魔化す!
「笑顔」・・それは最強のコミュニケーション術。
私は敵じゃないと簡単に理解させる魔法の表情。
「「・・お美しい」」
それを女さんでやっているんだ。効かないはずがないだろう。
よし、つかみは上々。後は教えてもらった通りに行動するだけだ。
「今日は何か予定はありますか?」
女さんのスケジュールを管理しているという中居さんに予定を問う。
「茶道や華道などの習い事があるのですが。先生がたも優しく、なんてことなく済むことなので気楽に取り組んでいただけると思います」
・・このお屋敷を大したことはないと思っている女さんの感覚に若干の不安はある。が、まあ、習い事の一つや二つくらいならばなんとか・・
「今日はこれから直ぐに茶道。その後に書道と合気道と華道がございます」
「・・多くないですか?」
「いえ、いつもと同じくらいの内容かと」
・・俺は女さんの感覚を信じないことを決めた。
「・・お身体の調子が悪いのでしょうか?」
しめた!中居さんから逃げ道をくれた!
「・・はい。実は気分が優れなくて・・ごほごほ!」
そういってワザとらしく咳き込む。
まあ、本当に病気みたいなもんだし間違っちゃいない。
「・・それでは本日の合気道はお休みにさせていただきます」
「・・ほとんど変わってないような?」
おまけに唯一楽に出来そうな合気道が無くなった。
「他の先生方はもう来られて準備なされているので今から中止には出来ないです」
「そこをなんとか・・」
「出来ません」
ぴしゃりと言い放つ中居さん。こうも断言されては何も返せない。
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