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男⇔女
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・・あの飲み物だ」
俺たちが使ったコップを指す先生。
「それじゃああの飲み物って・・まさか、毒なんじゃ」
「まさか。あれは俺の作った薬品だ。いやー。効果は実験してなかったから把握してなかったんだがまさか入れ替わりの薬だとはな」
「「はっはっは!」」
愉快そうに笑い始める先生につられて俺も笑う。
「ふん!」「ぐほっ?」
そして、ひとしきり笑ったあと先生の鳩尾に一発ぶち込んだ。
まあ、女さんの体を傷めないように殴ったからそれほど強く殴ってないが。
「で?元に戻る方法は?」
俺は温厚な人間だ。だから先生の言い訳とこれからの贖罪を聞いてやることにした。
「分からん」
・・再び拳を固める。次は鼻にしよう。
「だー!待て待て!薬の成分は把握しているから数日すれば何とか出来るはずだ!」
「・・つまり数日間はこのままと?」
「出来るだけ早く見つけるから!」
深々と頭を下げる先生。
・・まあ、先生を攻撃することに意味はないしな。
「・・できるだけ早くしてくださいね」
「ああ、約束し・・」
「じゃ、今から初めて下さい。明日も来ますから進歩がなければ・・分かってますね?」
「・・はぃ」
「それではお邪魔になる前に帰りますまた明日・・さ、行こう女さん」
女さんの手を引き、荷物を持って科学室を後にする。
「・・・・本当に入れ替わってしまったんですね」
俺の体をあちこち触りながら入れ替わってしまったことを実感している女さん。
さっきよりはマシなようだがまだ混乱しているようで顔色が優れない。この状態のまま帰すわけにはいかないだろう。
「・・女さん今後のためにも少し話し合おうか。中庭でいいかな?」
「・・はい」
そのまま下校するために女さんの荷物を教室から回収し学校の中庭へと向かう。
あそこはグラウンドや教室からも離れている。よほどのことがない限り誰も来ないはずだ。
「はいこれ」
中庭の近くで買ったオレンジジュースを渡す。気休めになればいいのだが
「ありがとうございます」
少し戸惑っていたがチビチビと飲み始める女さん。
「どう?落ち着いた?」
「・・未だに信じられませんがなんとか」
確かにさっきのよりは顔色もいいし心なしか凛とした雰囲気も戻ってきて見える。
「さて、早速で悪いけどこれからの問題について話し合おうか」
「・・一番の問題はこのことを知られないようにすることですよね」
いやー。実は中身入れ替わってるんだよねテヘペロ♪
・・なんてこと言ったら次の瞬間から変人扱いだ。
「そのためにもお互いがお互いを演じないといけないといけない」
どうするべきかは分かっている。だが・・
「・・私、男さんを演じられる自信がありません」
「・・俺もだ」
分かっていても出来るわけではない。
「でも、出来うる限り演じ
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