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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第四十六話その2 沸点の限界です。
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索敵すべき哨戒艦隊が当の敵から急襲を受けるということは不名誉極まりない事、任務失態に等しい事である。それを防ぎ、かつ敵の位置を知らせるために哨戒任務についているのだから。そういうわけで戦死した父たちには特進もなかった。
降格がなかったのはむしろ幸いだと思え!!
上官の容赦のない声が今でもベルンシュタインの脳裏にはっきりと焼き付いている。
八つ当たりだと心の隅ではわかっていた。ラインハルトを罵っても仕方がない。そんなことをしても父は帰ってこない。だが、ベルンシュタイン中将の心は既にどす黒い憎悪にまみれていたのである。あまりにも「奴」と戦死した父たちとの処遇が違いすぎるのだから。
彼は復讐を誓った。ラインハルトを、そしてその仲間をこの世から消し去るのだと。そのため彼は転属を願い出てブラウンシュヴァイク公の縁者の私設艦隊に配属となった。同時に彼は兵書を読み漁り、各方面の蔵書を読み漁り、知識を身に着け、戦術を学んだ。原作について脳の知識をフル動員させ、すべてを思い出そうと奮闘した。
ブラウンシュヴァイク公に近づいたのは、彼がラインハルトを倒しうる唯一の勢力であったからだ。この時彼は銀河英雄伝説の世界に転生したのは自分一人であることと思い込んでいた。カロリーネ皇女殿下やアルフレート・ミハイル・フォン・バウムガルデン等の存在は名前は知っていても、それが転生者であるという事は夢にも思っていなかった。銀河英雄伝説の世界に生きる貴族は数千家。皇族に至っても何十、何百人という人々がいるのである。原作にいない人間がいたとしても普通は不審には思わない。
ブラウンシュヴァイクを担いで、ラインハルトを滅ぼす。そのことのみを考え、彼は権謀算術を可能な限り繰り広げていった。原作では不遇だったベーネミュンデ侯爵夫人を軸として、対ラインハルト包囲網を形成させたのも、彼の発案で有る。人間、何かを犠牲にするとその分天才的に能力が伸びるのだろうか、はたまたヴァルハラにいる神々の気紛れか、それは誰にもわからないが、ともかく27歳の若さで、ベルンシュタインは中将にまで出世したのであった。一つにはブラウンシュヴァイク公の縁者であるシャイド男爵に気に入られたことも大きかったのかもしれない。
やがてシャイド男爵からブラウンシュヴァイク公に紹介された彼は、アンスバッハらと共にブラウンシュヴァイク公の家臣のような、いや、シャイド男爵の友人としてブラウンシュヴァイク公一門に面会することが多かった。
もっとも、ベルンシュタイン自身はそれを表だって公表せず、ひっそりと一人暮らしていたのであるが。家具も調度品も豪華なものは何一つなく、彼自身はすべて家事を一人でこなし、時折やってくる妹の世話も受けながら、質素に暮らしていた。こういうところはラインハルトと似ている部分がある
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