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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第四十六話その2 沸点の限界です。
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 いきなり男爵に指摘された少将はどもりがちに、

「も、もちろんあのアンネローゼの事だ」
「ほう?・・・ま、良いでしょう。残念ながら我々が差し向けた暗殺者は失敗に終わった」

 フレーゲル男爵に言われずとも一同もよく知っていることであった。だが、いったい誰がアンネローゼに加勢したのか、その辺りの事は調べが滞っている。あの山荘付近にいた者がその辺りのところを見ておればよかったのだが、悉く何者かに突然気絶させられ、何も見ていないというのだった。わかっているのはアンネローゼが忽然とあの山荘から消え失せ、無事に宮廷に戻ったという事だけである。何も証拠がなく、加勢者の正体は一切謎に包まれていたのであった。

「幸い実行者はすべて早急に始末した故、外に漏れることはない。これについて意見を聞きたい。あくまでアンネローゼ暗殺を実行し続けるか、それとも矛先をあの金髪の孺子に戻すべきか」
「申し訳ないが、アンネローゼ暗殺は不可能です。宮廷内に館をたてられそこでは厳重な警備があります。いや、実行不可能とは申しませんが、そうなった場合の後始末は厄介です。既に一度失敗していることでもあります」

 ベルンシュタイン中将が言う。

「同感だ」

 ゴッドホルン子爵は短くそういった。それにちらと目を向けたフレーゲルが、

「忌々しいが、中将、子爵、卿らの言う通りだ。これ以上あの女に手を出すとどのような飛び火がこちらに来るかわからん。ここは当初の方針に戻り、あの孺子を始末することに傾注しよう」
「ベーネミュンデ侯爵夫人にはどう説明しますか?」

 と、シュライヤー少将。

「なに、簡単なことだ。陛下を動かし奉る。皇帝陛下の臨御があれば、あの女もそこまで目くじらは立てぬ。その間にあの孺子を始末し、その余勢をかって女を始末すればよかろう」
「これまで悉くそう言った試みをし、悉く失敗に終わったという事でもですか?」

 ベルンシュタイン中将の問いかけに、フレーゲルは目をいからせた。

「そう言うのであれば、お前がやってほしいものだ。その手であの金髪の孺子を刺殺し、その首を私や侯爵夫人に見参して見せよ。ん?」

 ベルンシュタイン中将は黙っていた。

「そうだろう?あの孺子を正面から刺し殺すことなど、無理なのだ。以前に雇った暗殺者でさえ失敗している。私としてはそれほど下賤の輩、汚らわしい仕事人風情の手腕には期待はしていなかったがな」

 その言葉とは裏腹にあの時の事を思い出したのか、悔し気な表情がフレーゲルの顔に走った。暗殺者はラインハルト・フォン・ミューゼルが大尉時代にグレーザー医師が差し向けたあの暗殺者であったが、その裏でグレーザー医師に仲介を取ったのが、ほかならぬこのフレーゲル男爵だったのだ。このことを知った時、ベルンシュ
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