六話:肝試し
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メジェドに襲い掛かる。
彼女達の予想外すぎる行動にメジェドは混乱し逆走を始める。
しかし、捕まるのは時間の問題であろう。この学校で彼女に勝てる存在はいないのだから。
『嵐は去った』
「……あんた意外と外道?」
『卑怯だと思う? なら、それが彼らの敗因だ』
へたり込み、ぐだ男の使ったスケープゴート作戦に白い眼をするジャンヌ・オルタ。
だが、ぐだ男は悪びれることなくどこかの誰かのまねをする。
『とにかく、今のうちにゴールしよう』
「それもそうね…って、あれ?」
立ち上がろうとするジャンヌ・オルタだったが気が抜けたためか立てない。
そんな彼女のためにぐだ男は何も言わずに手を差し伸べる。
「……しょうがないわね」
いつもであれば馬鹿にするなと反抗していただろう。
しかし、今は不思議とそんな気にはならなかった。
彼女は若干頬を染めながら手を取り立ち上がるのだった。
『じゃあ、行こうか』
「ええ、そうしましょう」
前を歩くぐだ男の背中を盗み見しながら彼女はボンヤリと考える。
彼であれば、もしかすれば自分のことを―――
「……バッカじゃない」
『なにかあった?』
「何でもないわ。ほら、さっさと行くわよ」
顔を見られたくないので彼を抜き去り前に出る。
そうだ。あり得るはずがないのだ。
誰かがこんな自分のことを―――愛してくれるなど。
二人が体育館に着いたころには試練を切り抜けてきた生徒が既に集まっていた。
『そう言えばここでもなにかあるのかな?』
「さあ、私としてはもうどうでもいいけど」
何の連絡もないままに過ぎる時間に全員が不思議がっているところで舞台にかけられていた幕が上がる。何があるのかと全員の視線が集中し大取りが現れる。
「うむ、皆の者よくぞ余のライブに集まってくれたな」
「ちょっと、なに私を抜いてんのよ!」
煌びやかなステージ。そしてその中心にいるのは煌びやかな少女二人。
これだけであれば何の問題も、否、その少女達だからこそ問題がある。
「心配するでない、わかっておる。今日はこのネロ・クラウディウスと」
「エリザベート・バートリーの一夜限りのスペシャルなライブを行うのよ!」
あまりの出来事に目が点になっていた生徒達が状況を理解する。
そして、全員がこれから起きる惨劇を予想し悲鳴を上げた。
「ああ、この大歓声……燃えてきたわ!」
「うむ、黄色い悲鳴という奴だな。余も今日は全身全霊をもって歌うぞ」
悲鳴を自分達への歓声だと認識し気合に満ち溢れる二人。
一部の生徒達は外に脱出しようともがくがどういうわけか外から鍵
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