六話:肝試し
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廊下を埋め尽くしながら進むヘルター・スケルターの威容に圧倒される。
だが、最も恐ろしいのは彼らではない。その軍隊を率いる者だ。
「速やかに患者を確保しなさい」
【イエス、マム】
『何やってるんですか、ナイチンゲール先生!?』
ヘルター・スケルター達に指示を出しているのは保健室の主ナイチンゲールである。
「私は気が付きました。人の手では助けることができない人々も機械の力を使えば助けることができると」
『なるほど』
「なので彼らを使い―――病原菌を排除します」
『さっぱり分からない』
一斉に進行しだすヘルター・スケルターから逃れるために保健室を飛び出す。
すると何故か彼はこちらを追って来る。
「なんでこっちを狙うのよ!?」
「あのオートマータは感染症を発症した人間という設定です。そしてあなた方は彼と接した。つまり患者です」
何故かナイチンゲールが先頭となって追ってきながら設定を説明してくれる。
『これってもしかして訓練?』
「確かに訓練です。しかし、例え訓練であっても―――私は殺してでもあなた方を救います!!」
『無茶苦茶だ!』
逃げる患者に追う医者。
何ともおかしな、しかしながらお互いに譲れないデッドレースが幕を開ける。
「逃しません」
「なによ、あれ!? 走り方が完全にターミネーターなんだけど!!」
『いいから走ろう! そうしないと脱落する!』
未来からの暗殺者のように無表情かつ完璧なフォームで追ってくるナイチンゲール。
先程のメジェド程の殺傷力は持っていないというのに恐ろしさは段違いだ。
鋼鉄の白衣の異名は伊達ではない。
「仕方ありません。みね撃ちです」
『弾丸にみね撃ちってあるんですか!?』
容赦なく発砲してくるその様は殺人鬼にしか見えないが彼女は救おうとしているだけだ。
そう、例え殺してでも。
『このままじゃ……あれは!』
「うそ、あれキモキャラじゃない! これ挟み撃ち状態!?」
運の悪いことにぐだ男達の目の前にはメジェドが迫ってきていた。
前門のメジェドに後門の看護師。絶体絶命である。
『いや…これはチャンスだ』
しかしながら、ぐだ男の精神は諦めることを良しとしなかった。
『ナイチンゲール先生! あれは―――感染症の原因という設定です!!』
「なるほど…! では優先順位としてはあちらを先に―――排除しなければいけませんね」
ナイチンゲールの眼光がメジェドを射抜く。
そのあまりの迫力にメジェドは急停止し彼らを見つめる。
だが、彼女は止まることはしない。
「全軍―――突撃です!」
【イエス、マム】
ヘルター・スケルターの大軍隊とナイチンゲールが
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