暁 〜小説投稿サイト〜
歌集「春雪花」
253

[8]前話 [2]次話



 現し世に

  想いぞ虚し

   夏翳り

 逢いたき君の

    心求めし



 この世界…私には侘しく、想いを紡いでも虚しいだけ…。

 どれだけ晴れ渡った夏の空を眺めようと、心は決して晴れることはなく…不意に彼を探している自分に嫌気が差す…。

 彼に会いたい…ずっとそう想い続け…彼の心の全てを欲してしまい…。


 私なぞ死ねば良いと…幾度思ったことか…。



 恋し影を

  追いてや流る

   雨雲の

 溜め息つかば

   雨ぞ降るなり



 彼のことばかり考えながら…風に流されるだけの雨雲を見ていた…。

 いつかは私もあの雨雲のように…何処かへと流されて…もう彼には会えないのではないか…。

 この先のことなぞ、誰にも分かりはしないもの…。

 ただ会いたいと溜め息をつけば…空からはポツリポツリと雨が落ちてくる…。




[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ