第22話
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している事を知ると驚き、エリゼに訊ねた。
「レンさんのお陰で、私の兄様への想いを兄様に気付いてもらえる事ができたのですから………それに………兄様に純潔を捧げたあの時……私は天にも昇るような幸せを感じましたし………兄様に何度も求められた時も本当に嬉しかったです………」
「そ、それって…………本当にエリゼは俺の事をそんなにも想っていたのか……?」
エリゼの話を聞き、エリゼが自分に対して恋心を持っている事にようやく気づいたリィンは信じられない表情でエリゼを見つめた。
「……まさか兄様は私の事を幾ら仲がいい兄妹とは言っても、恋心も抱いていない殿方にファーストキスや純潔を捧げるような淫らな女性だと思っているのですか?」
「いやいや!?そんな事は全然思っていないぞ!?」
ジト目のエリゼに見つめられたリィンは必死に首を横に何度もふって答え
「……兄様。ここまで答えたのですから私と兄様が半年前に会った時に私がよそよそしかった理由や最近すれ違う事が多かった理由もわかりますよね?」
気を取り直したエリゼは静かな表情でリィンに問いかけた。
「あ…………も、もしかしてエリゼが俺の事を”兄”じゃなくて”男”として見ていたからか………?」
エリゼの問いかけを聞いて心当たりを思い出したリィンは気まずそうな表情でエリゼに訊ねた。
「……………………」
リィンの問いかけにエリゼは頬を赤らめて頷き
「え〜と……その……今まで気づけなくて本当にすまない………」
エリゼの頷きを見たリィンは言葉を濁した後申し訳なさそうな表情で謝罪し
「その事はもう気にしていないので謝らなくてもいいです。それに兄様が恋愛事に関して致命的なまでに鈍感な事は昔から”よく”わかっていますし。」
「う”っ。」
エリゼの自分に対する毒の混じった答えを聞くと冷や汗をかいて唸り声を上げた後ある事を思い出し、恐る恐る訊ねた。
「その…………大丈夫か?何度も中に出してしまったけど……」
「ええ。レンさんが用意してくれた避妊薬を兄様の部屋を訪れる前に前もって飲んでありますから、問題ありません。」
(睡眠薬や媚薬といい、何でレンは学生で、しかも子供なのにそんなものを持っているんだよ!?)
そしてエリゼの答えを聞くと疲れた表情でレンの顔を思い浮かべて心の中でレンに指摘した。
「兄様。」
「な、何だ?」
エリゼに呼ばれたリィンは戸惑いの表情でエリゼを見つめ
「順序が逆になりましたが……この際言っておきます。私――――エリゼ・シュバルツァーは一人の女性としてリィン・シュバルツァーを心から愛しております。この心は一生変わりません。」
「……エリゼ…………」
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