暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第3章:再会、繋がる絆
第56話「消えぬ違和感」
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..。」

  ...これはちょうどいいのでは?
  僕らが探し求めている“違和感”には、おそらくジュエルシードも関わっている。
  なら、少しでも情報を...。

「...ユーノ、聞きたいんだけど、ジュエルシードについてどこまでわかったんだ?」

「え?...細かくは分からなかったけど、大体は分かったよ。...まず、ロストロギア...つまり失われた技術だと言われてるけど、厳密には違う。」

「...どういうこと?」

「“技術”そのものが使われていなかったっていうか...。あー、説明するにはまず“天巫女”について説明しないといけないね。」

  今のうちに念のため認識阻害の結界を張っておく。魔法関連の話だからね。
  しかし、“天巫女”か...。導王時代の文献以来見たことない単語が出てきたな。

「天巫女...以前に君たちが行った世界“プリエール”に伝わる一族でね。祈りを現実に反映させるレアスキルを持っているんだ。その祈りの力は個人差はあれどどれも凄まじく、一説によれば死者蘇生に似たこともできたらしいんだ。」

「死者...それは凄いな...。」

  文献にも載っていた事と同じだな。

「...ジュエルシードは当時の天巫女のほぼ全て...25人によって創造されたんだ。...さっき言った、祈りの力でね。」

「...ロストロギアと呼ばれるほどのモノを、人の身で...!?」

「そう。それほどまでに天巫女の力は凄まじい。...それこそまさに、“神の所業”と呼ばれるほどにね。」

  ユーノの言ったそのワードに、ふと“違和感”の何かが繋がりそうな気がした。

「ジュエルシードは本来、願いを歪めて叶える機能なんてなかったんだ。...あるのは天巫女に祈りの力を増幅させる機能だけ。後は膨大な魔力を持っているくらい。...それが変質して違う世界に流れ着いたんだけどね。」

「........。」

「ジュエルシードの本当の力は信じられない程だよ。かつて“プリエール”を襲った災厄...負の感情...そのエネルギーをプリエールから遥か遠い世界へ転移させ、そして打ち消したんだから。」

「っ....!」

  “負の感情”...それに聞き覚えがある気がした。
  重要そうで...だけど、それ以上は思い出せない...。

「....といっても、虚数空間に消えてしまった今、報告するだけして、なんの意味もないんだけどね。」

「...そうか。ありがとう、ユーノ。」

「あはは、なんか面と向かってお礼を言われるのは久しぶりだな。」

「...どれだけ酷使されてきたんだよ...。」

  なんかいつかユーノが倒れないか心配だわ...。

「じゃ、もう少し僕はここにいるけど...。」
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