暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第3章:再会、繋がる絆
第56話「消えぬ違和感」
[5/9]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

  ...そこで、ふと夢で見た内容を思い出す。

「(...そう。あの人物がいれば全て辻褄が合う。)」

  アリサとすずかに魅了が効かなくなるのも、数々の不自然な所も。
  夢で見た内容、その全てが、あの人物がいれば成り立つと、なぜかそう思えた。

  ...気が付けば、走り込みは終わっていた。

「(...一度素振りをして気を切り替えよう。)」

  雑念が入ると剣筋もぶれるからな。
  椿もそろそろ起きてくる頃だろう。椿は早起きだし。
  葵は吸血鬼だから、朝に弱いけど...まぁ、6時くらいには起きるだろ。







「.....ふぅ。」

  しばらくして、いつもの庭での素振りを終わる。
  ふと、家の開けている窓を見ると、椿が訝しげにこちらを見ていた。

「...どうしたんだ?」

「...どこか、雑念が入っていたわね。」

  ...さすが椿。気づいていたのか...。

「これでも思考を切り替えた方なんだがな...。」

「何があったの?」

  夢の事や記憶の矛盾...葵ももうすぐ目覚めるし、話しておくか。





「....なるほどね...。」

「...二人は何か違和感とかはあるか?」

  今までは疑問にすら思わなかった。
  それがおかしく思えて、ふと二人にも聞いてみる。

「分からないわ...。記憶を探っているんだけど...。」

「矛盾が感じられない...いや、感じようと思えないのかな?」

「そうか...。」

  二人でさえ、違和感を感じる事はできない。

「...でも、分かった事はある。」

「ええ、そうね。」

「あたしもわかってるよ。」

  僕らは少し間を置き、一斉に異口同音に言う。

「「「記憶や矛盾に対する、認識の阻害。」」」

  そう。“疑問に思わなかった”。これがキーワードだ。
  今朝気づいた矛盾は、少し考えればすぐ感じる事のできる矛盾だ。
  それなのに気づかなかった...疑問にさえ思わない事にこそ、僕らは疑問に感じた。
  そして、葵も言っていた“矛盾を感じようと思えない”。これではっきりした。
  矛盾などに対して思考が働かない。...その時点でおかしい。
  だから僕たちはそう結論付けた。

「僕自身、夢を見るまで一切気づかなかった。」

「そんな優ちゃんに言われてもまだわからないあたしたち。」

「よく考えれば普通にわかる事よね。」

  だけど、問題となるのは...。

「それを行った存在...。」

「あたし達三人...いや、多分最低でもこの街全ての人に認識の阻害をかけてるんだよね?」

「...いくら式姫とはいえ、
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ