第3章:再会、繋がる絆
第56話「消えぬ違和感」
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「っ....!はぁっ、はぁっ...!」
掛け布団を吹き飛ばし、切れた息を整える。
「今...のは....!?」
多分、今まで何度も見てきた夢と同じ。
だけど、今回はなぜか覚えていた。
「くそっ...なんなんだ....?」
訳がわからないまま、ふと外を見る。
「...夜明けか。もう一度寝る事はないな。」
遠くが少し明るくなっている。
しょうがない。もう起きておくか。朝の鍛錬もあるし。
「(...走り込みがてら記憶の整理だ。)」
眠気覚ましついでに水分補給してから、家を出ていつものルートを走る。
「(今回見た夢も、おそらく今まで見てきた夢と同じ。...感覚的にそう思っただけだが。...唯一違うところと言えば、今回は覚えていた事と...夢の最後。)」
そう、夢の最後に聞こえたデバイスらしき声。
なんとなく、覚えている訳ではないが、以前までの夢にはそれはなかった。
「(夢の内容は、一言で言えば、“僕の知らない誰かが今までの事に介入している”...そんな夢だ。)」
走るペースを乱さず、考えていく。
「(夢の感覚としては、明晰夢に近い...?意識はしっかりあったな。)」
内容だけでなく、夢の特徴も解析しておく。
「(...問題なのは、僕の記憶との相違点...いや、僕の記憶の矛盾点。)」
そう。重要なのは夢の内容と僕の記憶の違いよりも、僕の記憶に存在する矛盾点。
この際、夢は置いておこう。だけど、その矛盾点は見逃せなかった。
「(アリサとすずかの魅了は確かに僕の魔法で解除した。...正しくは緋雪を正気に戻した際暴発した影響だけど。だけど、それだとそれ以降の魅了はどうやって防いでいるのかがわからない。)」
どうして今まで疑問に思わなかったのか。
不思議にすら思うほど、それは不自然だった。
少なくとも、あのタイミングで魅了を防げる魔法は使えなかった。
...今ならグリモワールに載っている術式を漁れば行けるかもしれないけど。
「(だけど、あれ以来間違いなく二人は魅了を受け付けなくなった。)」
一度解けたら再度かからない?
...いや、それなら僕はそういう推察をしているはずだ。
だが、どんなに自分の記憶を再確認しても、そんな記憶はない。
「(...よくよく自分の記憶を振り返ってみると、不自然なところが多い。)」
どう考えても僕や他の人たちでは為せなかった事が所々あった。
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