第3章:再会、繋がる絆
第56話「消えぬ違和感」
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し加護を...。」
〈天駆ける願い、顕現せよ。“Wish come true”〉
次に見えたのは、また同じ人物がアリサとすずかに向かって祈っている場面だった。
緋雪もいて、場所がすずかの家から察するに、おそらく誘拐後だろう。
デバイスと共に紡がれた言葉で、アリサとすずかが光に包まれる。
「(...そうだ...これで二人が再度魅了される事は....。)」
....待て。どういうことだ。
こんな場面はなかったはず。でも、こうでなければ“矛盾が生じる”。
一体、どうやって二人が再び魅了されるのを防いだ?
...それが、まったく思い出せない。
「(おかしい...おかしい...!)」
記憶が混濁する。思考がまとまらない。
それでも場面は変わりゆく。
「ストップ!そこまでだよ!」
今度は、王牙との戦いで、介入された所。助けに来たのはまたあの人物。
...記憶では、緋雪に助けられた事になっている。
場面が変わる。今度は“カタストロフ”との戦い。
椿と“カタストロフ”のボスを転移させる所に...あの人物はまたいた。
また、場面は変わる。ビルの上で、椿曰く妖と呼ばれる存在の偽物と対峙している。
共に立つのは、緋雪と椿と葵と...記憶に覚えのない二人の少女と、あの人物。
「(...誰...なんだ....?)」
どんな場面に変わっても、その人物は存在していた。
...そして、また場面は変わる。
「(っ....!)」
今度は、ジュエルシード25個の暴走。...だが、その中心にその人物がいた。
顔は未だに認識できないが、その瞳が虚ろだったのはよくわかった。
「(っぁ....!)」
その人物に、僕は必死に手を伸ばす。助けようと、救おうとして。
だけど、その人物は突き放すようにそれを拒絶した。
伸ばした手が空振る。代わりに掴んだのは一つのジュエルシード。
―――....ごめんね。優輝君...皆...。....さようなら....。
「■さん....!!」
聞こえてきた悲しい少女の声に、僕は誰かの名前を叫んでいた。
...意識が、遠のく...。夢から、覚める....。
〈....優輝様....。〉
...聞き覚えのあるような、ないような。そんな“デバイス”の声が聞こえた気がした。
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