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雷と鉄と妖と
第二話:妖精の尻尾:
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救うとも言ってくれた!!何も知らないのに、悪く言うんじゃない!!」
藍色の目でギルド内を睨みつけるスバル。ガジルは後ろで、そんなスバルをキョトンと見つめていた。
「・・・お嬢ちゃん、それは本当か?」
「当たり前だ!!弧族は嘘なんてつかない!!」
強気でそう言ったスバルを見て、マカロフは間を置いて、にっこりと笑った。
「そうかそうか。ガジルはお主を救ったんじゃな。良かった良かった。お嬢ちゃん、名前は?」
「え?ス、スバル」
「儂はマカロフじゃ。このフェアリーテイルのマスターをしておる。ガジル、妹とは何じゃ?」
「こいつの妹が別の奴らに買われてたんだってよ。だから、フェアリーテイルで探してやりゃあいいだろ?」
「ふむ。そうじゃな」
二人だけで続く会話に、全員がポカンとしていた。




「・・・なるほどねぇ。つまり、ガジルは貴方に手を出してないのね」
「あぁ」
「何回確認してんだテメェは」
12回目の確認をするルーシィに、ガジルはそう言った。
スバルは、長椅子の真ん中に座っているが、注目を浴びているのが嫌なのか、二本の尾で顔を隠す様にしていた。
「とにかく、スバル達を捕まえた闇ギルドの情報がないと何も出来ないな。そのギルドの名前はわからないか?」
エルザがそう言うと、スバルは尾で自分の前髪を避けた。
「・・・わからないが・・・何だか、奇妙な連中だった」
「紋章は見た?」
「・・・見た、と思う。十字架に蝶があったような・・・気がする」
「では、どんな奴らだった?」
「・・一人は、赤い髪で、色んな飾りをジャラジャラとつけていた女。舌にもつけていたし、何だが・・・」
言い終える前に、スバルは自分の尾を掴んだ。腕が小刻みに震えている。
「・・・その女の名前はわからないか?」
エルザの問いに、スバルは首を横に振った。
「・・・では、お前の妹の名前は?」
「・・・アカルと、アカリと、キィナ。アカルとアカリは双子で、キィナはまだ11歳だ。全員尾が一つだけ」
「わかった。部屋に戻れ。後は私達でなんとか・・・」
「見つけたら、私も行くからな」
エルザが言葉を発し終える前に、スバルはそう言った。
エルザが頷くと、ガジルがスバルをひょいっと担いだ。
「ッ、おい!!」
「部屋行くぞ」
「自分で歩ける!!」
ぎゃーぎゃーと騒ぐ二人の後ろ姿を見つめながら、ハッピーが呟いた。
「あの二人、仲良いね」
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