暁 〜小説投稿サイト〜
豹頭王異伝
暁闇
魔道師の想念
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(うるさいわい。
 良い加減に、黙らんかい)
 グラチウスが心話で喚き、網状の何かを投げた。
 油断していたユリウスを頭から、すっぽり覆い尽くす。
 怒ったユリウスは、何とか外に出ようと暴れまわるが。
 見掛けに拠らず強靭な材質であるのか、破れる気配は毛頭無い。

 口の減らない古代生物を黙らせた老人の前には、透き通った水晶(クリスタル)の玉。
 ゴーラ王の天幕内部が映し出され、昼間から酒を飲んでいる3次元立体映像が投影される。
 誰かに見られているとは思いも拠らぬ情緒不安定な冷酷王、イシュトヴァーンの許へ。
 マルガに送り込んだ伝令が1人、戻って来た。
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