暁闇
魔道師の想念
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ルガ入りを俺も急ぎ、クリスタル解放の戦いを可及的速やかに始める心算だ。
リー・レン・レン達を宜しく頼む、キタイの民には強力な魔道師の援護が大いに必要となろう。
中原に暮らす全ての国々には青星党の若者達、望星教団の戦士達を助ける義務がある。
彼等の犠牲に拠り竜王は一時的に去り、パロの闇を掃う勝機が見えるに至ったのだからな)
ドールに追われる男が虚空に溶け、閉じた空間を開こうとした刹那。
老魔道師の強固な精神結界《サイコ・バリヤー》、心理学的な障壁に後輩の念波が接触。
敵対する意志を持たぬ崇敬の思念波が許容、変換され超上級者の脳裏に声が響いた。
同時に数多の思念を統合、凝縮した精神波動の結晶体が実体化。
ヴァレリウスが直接心話を送信せず、ギール達を経由する非礼を詫び事情を説明する。
(誠に申し訳も御座いませぬ、イェライシャ老師様。
心話を直接送る事で、キタイの竜に付け入る隙を与えたくありません。
老師から見れば無用の気掛かり、取り越し苦労かも知れませんが勘弁して下さい。
ディーン様の歌を贈って頂いた事にも深く感謝します、この御恩は一生忘れません。
全滅した偵察隊の消息も御報せ下さり、パロ魔道師ギルドを代表して御礼を申し上げます。
同期の者や師弟から彼等に届けたかった想い、努力を褒め称える多数の念を凝縮しました。
寄せられた多数の想念を統合、圧縮思念を創造しましたが彼等に届ける手段がありません。
老師の御手を煩わせる事は本意ではありませんが、御持参を願えませんか。
キタイへ飛ぶ際、或いは帰還される際で構いませぬ。
フェラーラ付近で果てた彼等の魂に、御渡し頂ければ真に幸いです。
圧縮思念に篭もる想念には、彼等を成仏させる程の魔力はありませんが。
懸命に任務を遂行し最期まで諦めなかった彼等に、報いる術が他に見当たりません。
彼等を供養するとは申しませんが、せめて墓前いや魂に供えたいと思います。
足手纏いとは百も承知ですが、必ず何時の日か御恩は返させて頂きます。
パロ魔道師一同より、謹んで御願い申し上げます。
我等の想いを、異国の地で果てた同胞へ御届け下さい)
上級魔道師ギール、下級魔道師ディノン、コームは深く頭を垂れ数多の《想い》を中継。
優和な微笑を見せた超上級魔道師は圧縮思念を懐に納め、閉じた空間へ闇に消えた。
マルガで留守を預かる参謀長は、パロ領内の全騎士団が歌の力で正気に返るかと期待したが。
レムス軍の将兵は精神支配《サイコ・コントロール》下にあり、歌から遮断されていたらしい。
パロ魔道師軍団の中にも、催眠暗示能力者の素質を持つ者は皆無ではないが。
キタイの竜王が操る強力な精神操縦、後催眠の解除は
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ