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第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#3
DETERMINATIONU 〜真意〜
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る水銀を
今度は吐き出すかのように、ジョセフは言葉を絞り出す。
「『DIO』を ……アノ男を……
見つけだして(たお)すしかない……!
DIOの存在を抹消して……
“呪縛そのもの” をこの世から消し去るしかない……ッ!」
(!!)
 やはり、という予感は在ったが、アラストールは何も言わなかった。
 かつてアノ絶対存在 『究極神』 すらこの世界から封滅したこの男なら、
ナニカ自分の想いもよらない 『策』 を創り出すかもしれないという嘱望も、
今は心の奥底に封印した。
 幾ら、嘗てこの世界を幾多の危機から救った真の 『英雄』 とは言っても、
今は、この世界のどこにでもいる、子の安否を気遣う一人の父親。
 自分のたった一人の娘を、得体の知れない脅威に踏み躪られ
その絶望に嘆くしかない者にソレ以上強いるのは、
他のどんな申し開きも通用しない、残酷というモノだった。
「しかし……しかし……ワシの 『念写』 では、ワシの 『念写』 では……ッ!
ヤツ 「姿」 は写せてもその居場所までは特定できん。
何の手懸かりも無しに 『たった一人の男を』
この世界から見つける術など、一体どうすれば……」
 己を蝕む絶望に正気が混濁しかけてきているのか、
ジョセフは誰に言うでもなくオロオロと言葉を紡ぐ。
(……)
 アラストールは、そのジョセフの様子をみつめていた。
 何も言わず、ただみつめていた。
 己の裡で()(いず)る、幾千の感情と共に。



 ……大丈夫。
 何も、心配いらない。
 (オレ)が、何とかするから。
 直ぐには無理でも、必ずなんとかしてみせるから。
 だから、もういい。
 そうやって何もかも、全部自分で背負わなくても。
 少しは(オレ)を頼れ。
“友達” だろ? 



 紅世でも、一際その異名を轟かせる王へと変貌する内に、
少しずつ見失っていった、本来の存在(じぶん)
 ソレが今再び、アラストールの裡に甦りつつ在った。
 己の存在の裡で燃え盛る、灼熱の 「決意」 と共に。
 先刻の、ジョセフの言葉。
 ソレは、広大不偏な砂漠の中で、
DIOという一粒の砂を見つけるのに等しき所行。
 事実上、不可能に近い。
 でも、やるしかない。
 例えどんな手を使っても。
 どれだけ可能性が低くても。
『零じゃないなら』
 何よりも、“コイツ” の為になら。
“コイツ” は、 今まで、 自分の大切なものを幾つも幾つも失ってきた。
 何度も何度も傷ついては倒れ、その度に失い、
それでも “コイツ” は。
 


“笑っていた”




 緩やかに降り注ぐ、太陽のような笑顔で。
 例えまた大切な何かを失う事になろうとも、
それ
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