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第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#3
DETERMINATIONU 〜真意〜
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者に突如、
地獄の底から這いずり出してきたかのような、
或いは爆発寸前のマグマを想わせる、
凄まじい怒りを圧し殺した声が頭上から降り注ぐ。
(!!)
 淑女、空条・ホリィ・ジョースター。
その、この世の何よりも掛け替えのない、最愛の息子。
 空条 承太郎。
 彼は、眼前の事態に困惑するわけでもなく泣き叫ぶわけでもなく、
ただ、“キレて” いた。
 以前、自分と無関係な少女が淀んだ悪意に蹂躙された時など比較にならないほどの、
凄まじい威圧感(プレッシャー)で。
 深遠なる紅世の王 “天壌の劫火” アラストールにすら
畏怖を抱かせる程の脅 嚇(きょうかく)で。
 ただ、『完全にキレていた』
 その承太郎が、ジョセフの寝間着の襟元を掴んで、
力任せに無理矢理床から引き吊り剥がす。
「目の前の事態にビビりあがって! パニくってッ!
泣き言いってりゃあソレで何かが解決すんのかッッ!!」
 まるでジョセフの胸の裡を見透かしたかのように、
承太郎は怒りの炎が燃え盛るライトグリーンの瞳で、
困惑した祖父の瞳を真正面から貫く。
「言え……! 『対策』 を……!!」
 闇夜の肉食獣のように散大した双眸で詰め寄る実の孫に対し、
ジョセフはただ困惑した表情で応じるのみ。
 彼もまた、目の前の事態を完全に認識しているわけではない。
 心のどこかでは、 これは現実ではない、夢であって欲しいと想っているのだ。
(!?)
 襟元に込める力を一切緩めるコトなく、
承太郎は勢いのままジョセフの鍛え抜かれた躯を、
脇に設置された食器棚へと叩きつける。
 暴力的な音が室内全域に響き渡り、衝撃で零れ落ちた
幾つもの食器やグラスが割れて床に散り乱れた。
「黙ってちゃあわかんねーだろッッ!! ねぇなら今すぐ考えろ!!
一体今まで何の為に無駄に生きてきやがった!!
このオイボレクソジジイッッッッ!!!!」
「やめてッッ!!」
 突如、少女の悲痛な叫びが、空間を劈いた。
「!!」
 捲れ上がった瞳孔で振り向いた、視線の先。
 そこ、に。
「やめ……て……ホリィの傍で……大きい声……出さないで……」
 そう言って少女は、自分よりも遙かに長身の淑女の躰を、
労るようにそっと包み込む。
 得体の知れない恐怖から、彼女を護ろうとするように。
「こんなに……こんなに……苦しがってる……
フレイムヘイズじゃ……ないのに……普通の……人間なのに……!」
 消え去るような声でそう言葉を紡ぎ続ける少女の黒い双眸から、
抑えていたものが一気に溢れるかのように、
透明な雫が零れて淑女の衣服の上に落ちる。
 幾筋も。幾筋も。
「うぅ……ひっ……く……ううぅ……ううううぅぅぅぅぅ〜〜〜〜〜〜〜〜……」 
 もうそれ以上は言葉に
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