第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#3
DETERMINATIONU 〜真意〜
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と想ってな。
最も、ソレでもその差は絶望的だが」
再び王者の余裕を崩さぬまま、DIOは淡々と承太郎にそう告げる。
(……)
だがそのDIOの態度とは裏腹に、承太郎は茫然自失となり
美しき風貌も蒼白となる。
渦巻く怒りが臨界を超えると、返って醒めてしまうように。
そんな白い冷気で充たされた彼の心中で、
残酷な自問自答が繰り返された。
脳裏を過ぎる、幾人かの姿と共に。
“ゲーム” だと?
狂おしい程に己が脳裏へと響き渡る、心臓の早鐘。
オレの母親の苦しみも。
ジジイの絶望も。
シャナの哀しみも。
“テメーにとってはッ! タダの遊びに過ぎねぇってコトか!!”
認識したソノ事実に再び怒りが白金の火柱のように、
己の裡で渦巻いて燃え盛る。
そしてその怒りは 「決意」 と成って、彼の気高きライトグリーンの瞳に宿る。
熱く、激しく、燃え尽きる程に。
潰す……ッ!
テメーだけは!! 絶対にこのオレがブッ潰すッッ!!
DIOッッ!!
傍にいるが何処よりも遠い男の幻影に向かい、承太郎は吼える。
怒りだけではない。
哀しみだけでもない。
己が乗り越えるべき 『宿命』 として。
己が斃すべき 『宿敵』 として。
今再びDIOの存在は、空条 承太郎の存在の裡に強く刻まれた。
(フッ……本当に……何も変わっていないな…… “おまえ達” は……)
その誇り高き光で充たされた承太郎の双眸を満足気に見据えながら、
かつて同じ瞳で己に挑みかかって来た者を想い起こしながら、
DIOはその至宝なる黄金の瞳を一度静かに閉じた。
「一日も早いエジプトへの来訪。愉しみにしているぞ。
最も “来れれば” の話だが」
そうDIOが言い放った瞬間、
その脇に控えていた麗人と美少女が一歩前に出る。
己が最愛の主を、如何なる危難からも護衛しようとするように。
そして同時に口を開く。
「貴様等のエジプトへ至る過程に於いて、ワシの選別した 『スタンド使い』」
まずは闇冥の美女が、
「そして私の精選した “紅世の徒” が、その進行を阻止させて戴きます」
続いて透徹の美少女が、それぞれ口を開き己が意図を告げる。
「何れも名にし負う強者達。
アナタ方が此の地に到達する可能性は
皆無と言っていいでしょう」
冷然とした口調だがまるで水 晶で創られた管楽器のように、
少女の紡ぐ声は神妙にて美しい。
「……」
そして姿こそ対照的だが、どことなく自分の知っている少女に
似通った雰囲気を承太郎に感じさせた。
そしてその氷の少女が自分に向けた視線をやや逸らし、
別の方向へと向き直る。
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