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第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#3
DETERMINATIONU 〜真意〜
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れで良い。
他の事は我に任せよ。彼の者にこれ以上、勝手な真似はさせぬ」
 穏やかな、声。
 静謐で慰撫に充ちた、男の声。
「……」
 その言葉に、その存在に、沸騰寸前まで煮え滾って己の血が
不思議と冷えていくのをジョセフは感じた。
「ほう? そちらがおまえの娘か? ジョセフ・ジョースター」
 口唇に浮かべた不敵な笑みを崩さぬまま、
DIOはそこで初めてジョセフに問いかける。
 遠間に位置する、黒髪の少女に抱かれて横たわる、一人の淑女に対して。
「フム、なるほど。面影が在る。
若き日の 『エリナ』 に瓜二つだ」
 そう言いながら己の遥か遠方を見つめるような、
艶かしい視線でホリィを見るDIO。
 そのコトに再び凄まじい怒りを感じた承太郎は、
己が感情の全てを爆発させてDIOに叩きつける。
「テメエ!! 一体何しに現れやがったッッ!!」
 戦うつもりは、全くない。
 DIOの操るスタンド能力からそのコトを察した承太郎は、
火を呑むような想いで己の怒りを押し殺し、問い質す。
 その承太郎に対しDIOは、
「お前に逢いに」
事も無げにそう言い放った。
「……ッ!」
 嘲弄されていると気づいた承太郎は、口中を噛み締め軋らせる。
 対照的に、ウォーター・ブルーの光源に浮かぶ男は、
その美しい風貌に浮かべた不敵な笑みを崩さない。
「フッ、まぁソレは冗談として、
どうやらこの私の 『居場所』 を探り当てるのに
随分と難儀しているようなのでな。
ならばこちらから出向いてやろうと想っただけだ」
「フザけんなッッ!!」
 左腕を鮮鋭に振り翳し、空間がビリビリと震えるような声で叫ぶ承太郎。
 戯言(たわごと)だと想った。
 それならば何故自らの姿を現さず、こんな回りくどい方法を執る?
 この男は、ただ愉しんでいるだけだ。
 人間が悶え苦しむ様を、ただ高みから見下ろして嘲笑っている。
 ソレ以上でもソレ以下でもない。
 卑劣。
 最悪に卑劣な男。
 そう認識し瞳を尖らせる承太郎に、次に発せられたDIOの言葉は
完全に彼の虚を突いた。
「このDIOの居場所、そんなに知りたいのなら教えてやる。
『エジプト』 だ。 “エジプトのカイロ” 私はソコから一歩も動かん。
ジョセフ。貴様の娘が死すその時までな」
(!!)
 そんなコト絶対にさせるか!
 心中でそう猛り狂った後に浮かび上がる、一抹の疑問。
 承太郎はソレをDIOに問い質す。
「まちやがれ! テメーを斃そうとしているオレ達にッ!
何故わざわざ自分の 『居場所』 を教える!!」
 承太郎のその問いに、DIOは再び微笑を浮かべて答える。
「 フッ、 “勝ち” の決まったゲーム程、つまらぬモノは他に無い。
ならば少しは譲歩してやろう
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