その子誰?
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その日の夜・・・
「「ただいまぁ!!」」
家の扉が開いた音がしたかと思うと、靴を脱いで二人の少女がリビングにやってくる足音が聞こえてくる。
「今帰ったよ!!」
「お待たせ!!」
両手に紙袋をたくさん持っている彼女たちは、満足げな表情なのを見ると、有意義な一日を過ごしたのだと推測することができる。
「あぁ・・・」
「おかえり・・・」
対してこちらはレオンも俺も死にそうな目をしている。それを見た二人は、楽しげだった表情から一転し、心配そうにそれぞれの幼馴染みの横にやってくる。
「どうしたの?シリル」
「具合でも悪いの?」
覗き込むように顔を見つめるウェンディとシェリア。彼女たちは何があったか知らないため、このような反応をしているのだ。
「いやぁ・・・色々あってね」
「色々って?」
「俺らが悪いから仕方ないんだよ・・・」
「レオンが自分の非を認めるなんて珍しいね」
ソフィアへのドッキリが終了した後、カグラさんに通信用魔水晶を通してすごい怒られた。その後、リオンさんにも同じように怒られて、身も心も疲れきった俺たちはリビングのテーブルで力尽きでいたのである。
「そうだ。俺ら明日人魚の踵に手伝い行ってくるから」
本当は今日の行いの罰として行くのだけれども、手伝いと言っておけば二人から怪しまれることもない。物はいいようである。
「え?人魚の踵に?二人だけで?」
「なんで?あそこ男子禁制でしょ?」
しかし、ギルド名を出したことが間違いだった。女性限定のギルドである人魚の踵に、俺とレオンが行くなんて明らかにおかしい。だって二人とも男だから、そのギルドに手伝いに行くなんて向こうにはメリットがないからだ。
「えっと・・・」
「ひ・・・人手不足らしくて・・・」
彼女たちのもっともな疑問に言葉を詰まらせていると、レオンが助け船を出してくれる。彼の理想的な判断に思わずナイス!!とか思っていたのに、その判断が悪い方へと傾いてしまう。
「人が足りないなら私たちも行こうか?」
「うん!!それがいいよね!!」
「「・・・へ?」」
彼女たちは他のギルドが困っているとあって放っておけないらしい。だけど、その申し出は受けていいのかわからない。だって、明日は俺たちはタダ働きなのだから、彼女たちを巻き込まないようにした方がいいのである。
「い・・・いや、大丈夫だよ!!」
「俺らだけで行ってくるからさ!!」
二人が来てしまうと俺たちが今日何をやっていたのかバレてしまう。それを聞かれたら、軽蔑の目で見られそうな気がするので、なんとか避けたいところなんだけど・・・
「え?なんで?」
「二人
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