五話:準備
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通なのでしょうか?」
マシュからのツッコミが入るがぐだ男は笑って流す。
こんなことで動じるようでは天草の友人は務まらないのだ。
『そう言えば去年といえば、夏休み明けから一気に焼けたよね、天草』
「それ日焼けだったんですか!?」
ずっと天草の肌の色は地肌だと思っていたマシュが目を見開く。
そんな姿に天草は苦笑しつつ理由を語る。
「まあ、理由の一つですが…。実は去年の夏休みにある用事があってセミラミスという女性を訪ねたのですが、その時に中東でしか取れない資材を集めて来いと言われまして」
「学生に対してなんという無茶ぶり……」
『それで本当に集めたんだよね?』
「ええ」
まるで近所のスーパーへお使いしに行ったかのような軽さで頷く天草。
「もっとも、彼女の方は断るつもりで言ったらしいので酷く驚いていましたがね」
『かぐや姫の無茶ぶりに答えたようなものだからね』
うんうん、と頷くぐだ男に目を丸くするマシュ。
一方の天草は恥ずかしそうに頭を掻きながら話を続ける。
「本当に大変な作業でしたが、全人類を救済するのに比べれば大したことはありませんよ」
『天草、なんだかラスボスっぽい』
「よく言われます」
聖者のような笑顔で笑いながらどこか黒さを感じさせる天草。
だが、それを感じてもぐだ男は無条件に彼を信頼し共に笑う。
そんなところへもう一人の知人が現れる。
「天草君どうしたんですか? そんなところで立ち止まって」
『あ、ジャンヌ』
「ああ、ぐだ男さんとマシュさんと話していたんですか」
よいしょ、と荷物を下ろしてから汗を拭くジャンヌ。
その仕草がやけに色っぽく見え、ぐだ男は思わず目を伏せる。
「マシュさんに肝試しの説明をしていたのですよ」
「なるほど。これが終わったら広報のプリントも作らないといけませんね」
『大変そうだね、二人とも。手伝おうか?』
「いえ、それが私達の仕事ですので大丈夫ですよ」
ぐだ男の気遣いに対して二人は微笑んで断る。
それは自分達がやるべきことを誰かに頼ってばかりだと成長しないという考えからである。
「後はペア決めのくじの準備もいりますね」
「確か去年の分が残っていたのでそれを再利用しましょう」
「そうですね。では、私達はまだやらないといけないことがあるのでこれで」
『うん、引き留めてごめんね。それじゃあ頑張って』
二人と別れマシュと共に家路につく。
その中でも二人の話題は先程聞いた肝試しのことであった。
「先輩、ペアは学年別なんですか?」
『うん。全学年一緒にすると大変だからね』
「そう…ですか…」
残念そうな顔でつぶやくマシュにぐだ男は首を傾げる。
しかし、すぐに
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