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英雄伝説〜菫の軌跡〜(閃篇)
第21話
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「え…………ヨシュアさんという方は先程話に出てきた義理の姉の方への想いを実らせた方ですよね?ヨシュアさんはどういう行動をされたのでしょうか………?」

「クスクス、それはね………――――キスよ。勿論頬とかじゃなくて、唇同士のね。ちなみにそのキスはヨシュアは当然として、エステルにとってもファーストキスだったのよ♪その事もあってさすがの鈍感エステルもヨシュアの事を意識し始めて、最後はヨシュアの事を大好きになったの♪」

「キ、キスですか………確かにそれは凄い大胆な行動ですね………―――って、まさか私にヨシュアさんと同じ事をしろと仰るおつもりなのですか!?」

レンの話を聞いて頬を赤らめていたエリゼだったが、すぐにレンが言いたい事を察し、驚きの表情で訊ねた。



「クスクス、甘いわね。レンはキスよりももっと凄い事をエリゼお姉さんにしてもらう為にさっきリィンお兄さんの部屋を訪ねてリィンお兄さんにある事をしたの。」

「え……兄様に一体何をされたのでしょうか?」

「今日のあの甲冑との戦いで使った謎の力でリィンお兄さんは大分疲労しているように見えたから、疲労回復用の紅茶と称して、リィンお兄さんに媚薬を混ぜた紅茶を飲んでもらったの。」

「ええっ!?び、媚薬!?」

「うふふ、その媚薬の効果は普通の媚薬よりも性欲を高める効果が高すぎるあまり、レディを見れば、”誰でも襲い掛かる”程の飲んだ本人の性欲を高ぶらせる凄い薬なの♪―――――ここまで言えば、レンがエリゼお姉さんに何をして欲しいのかわかるでしょう?」

「ま、まさか………私に兄様に襲われて操を奪われて、それを理由に兄様に私を恋人にして欲しいと迫れと………?」

レンに答えを促されたエリゼは顔を真っ赤にして訊ねた。

「正解♪ちなみに寮にいる他の人達は今日のディナー後に呑んだ紅茶に入っていた遅行性の睡眠薬の影響で今頃夢の中よ♪リィンお兄さんを除いて睡眠薬を呑んでいないのはシャロンお姉さんとレンだけど、シャロンお姉さんは1階の管理人室で寝泊まりしているし、勿論レンはエリゼお姉さんの”初めて”を盗み聞くような趣味の悪い事をしない為にもこの部屋で待っているわ。」

「…………………」

レンの口から次々に出た驚愕の事実にエリゼは顔を真っ赤にして固まり

「さすがの超鈍感リィンお兄さんも妹と思っていたレディに処女(ヴァージン)まで捧げられたら、エリゼお姉さんが兄の自分に対して恋している事がわかるでしょう?大好きなリィンお兄さんに処女(ヴァージン)を捧げて、かつリィンお兄さんへの恋心を知ってもらえ、止めには今まで大切にしていた妹の処女(ヴァージン)を奪ってしまったという罪悪感によってエリゼお姉さんとの結婚を真剣に考えてくれるというまさに一石三鳥の策でしょう?」
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