remember memory
ep.0001 remember memory 池野&箱部 後編
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
箱部と出会ってから数ヶ月が経過していた。
しかし、2人の日々は明るいものではなかった。
池野の失踪は殉職ではなく、ターゲットを守るために逃げたのだということがアナコンダにばれてしまった。
そのためアナコンダは裏切り者を狩るために動き出したのだ。
ーある日の夜のこと
池野は寝ている箱部を見つけた。
箱部は何かを持って寝ていたので池野はそれを見た。
そこにはI.S.をイニシャルにした池野の名前が考えられていた。
「箱部さん.......。」
この頃の池野は、数ヶ月に渡って箱部に喋り方をしつけられて現在とほぼ変わらないくらいになっていた。
しかし、それ以上に肝心な名前はまだ決まっていなかったのだ。
スヤスヤと眠る箱部の顔を見ると池野は独り言のように寝ている箱部に話し掛ける。
「これが最後。僕にとっての本当に最後の殺しの仕事。すべては箱部さんを守るために僕が出した答え。」
池野の中で1つの決心がついた。
ーその日の深夜
アナコンダの基地ではいつものようにマスターが堂々と椅子に座って部下たちの成果を聞いていた。
そんな時だった。
何者かがマスターの背後に立ち、首を固定すると丁寧に手入れをされた小刀を取り出す。
「よぉイズ。ようやく帰ってきたのか。」
「はい。あなたを殺すために.....守りたいものを守るためにあなたの命を刈り取りに来ました。」
池野の答えにマスターは笑わず、また怖がりもせず、黙っていた。
池野は急に悲しくなってきた。
箱部鈴菜がいなければこの人が未だに自分の居場所だったのかも知れないからだ。
自分に生きる意味を与えてくれた最初の人。
自分はこれからそんな人を手に掛けるのだ。
するとマスターが重い口を開いた。
「俺はな、お前のような息子を待っていたんだ。」
残虐で非道なマスターの口からは父親の面影すら感じさせる言葉が飛び出した。
しかし、マスターはそれでも暗殺者だ。
油断させて殺すつもりかも知れない。
そのため、池野は溢れ出る感情を必死に抑えた。
「アナコンダは暗殺組織。俺に反抗すれば消されるから誰も俺には逆らわない。だから、お前の裏切りは俺からすれば立派な親孝行に近いもんだ。」
池野は思わず涙を流していた。
そして、マスターの首を小刀でかすめた。
その途端、マスターの前に座していたアナコンダの幹部達が池野に飛び掛ってきた。
池野は、そんな幹部達を見て本来の正常な思考に戻ると、ポケットからスイッチを取り出した。
カチッ
その途端、今まで聞こえなかった小さな音が急激に大きくなりだした。
ピピピピピピピピッ....キュゥゥゥゥゥゥウウウウウ!!!!!
「まさかイズ。貴様ッ!!!!!!」
ズドォォォォォォォオオオオン!!!
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ