第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#2
SCARLET MIRAGE
[3/26]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
答えA承太郎が来て手助けをしてくれる。
答えB発現しない。現実は非情である。
(私……が……○を……つけ……たい……のは……)
疲労で朦朧とした意識が生みだした、精神の幻 想。
まるで三日三晩砂漠を彷徨って、ようやく手にした一杯の柄杓を口元へ運ぶかのように、
その「解答」を口にしようとする少女。
しかし。
(!)
刹那に生まれた己の甘さ。
ソレに縋ったコトを認識した灼眼の少女はその頬を紅潮させ、
「あぁ〜〜〜〜!! もうッッ!!
うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい
うるさぁぁぁぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜い!!!!!」
咄嗟に我へ返り、焼け焦げた石畳に白い両膝を付けたまま、
沈む夕日を背景に屹然と空に叫んだ。
その口元をムクらせ涙の珠が数滴、目じりに引っ付いたままの少女の背後。
そこ、から。
「オオオオオオオオオオォォォォォォォォォ――――――――――!!!!!!!!」
「ハアアアアアアアアアァァァァァァァァァ――――――――――!!!!!!!!」
突如湧き起こる、勇猛且つ純正なる、二つの喚声。
「ッッ!!」
その瞬間、少女はまるで野犬に吠えられたネコのように背筋を伸ばす。
撥ね返るように振り向いた、彼女の視界に映る、白 金と翡 翠、
異なる色彩の 『幽波紋光』
ソレを旋風のように周囲の空間に噴き散らす、
二人の幻想的な男の姿が在った。
「……」
周囲の硬い石畳の上に、打撃痕、射出痕、その他幾重もの戦闘跡と推察される
夥しい数の亀裂が走り、そして拳大の刻印が数え切れない程滅り込んだ、壊滅的惨状。
ソレらを生じさせた二人の美貌にも、擦過傷や打撲傷と思しきダメージの痕が浮かび、
そこから血が滲んでいる。
「……」
「……」
しかし、その二人は。
整った口唇に不敵な微笑を浮かべ、互いの存在に見入っている。
そんな些細な疵など遥かに超える、深い信頼関係の許に。
頬にそれぞれの汗の跡を滲ませ、荒い吐息をその口唇から断続的に漏らしている。
荒涼としているのに、どこか奇妙な 『さわやかさ』 を視る者に懐かせる、その光景。
研ぎすました極限の集中力の為、 “今まで視えていなかった”
眼前の事態を少女が認識する間もなく、
「スター・プラチナァァァァァッッッッ!!!!」
「ハイエロファント・グリーンッッッッ!!!!」
喚声と共に両者の身体から異質な重高音を伴って飛び出してくる、二つのスタンド。
その全身から強烈な光を迸らせ、背後に彗星のような光塵を靡かせながら、
対照的な生命の|幻
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ