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第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#2
SCARLET MIRAGE
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最低限度の、“あのような言い方” をすれば、
少女の性格上ソレに反発するであろうコトは容易に想像出来た筈。
 そして己の限界を超えて、力尽きるまでその仕儀を実行し続けるであろうということも。
(む……ぅ……)
 義憤、或いは失望にも似た幾分かの慷慨(こうがい)が、
紅世の王 “天壌の劫火” の心中に沁み(いず)る。
 自分はあの男を、空条 承太郎を、買い被り過ぎていたのであろうか?
 あの者の、その余りにも苛酷過ぎる 『宿命(さだめ)』 については、
盟友を通して多少なりとも理解しているつもりだ。   
 そして共通の “宿敵” である、この世界の頂点に君臨する絶対存在
『幽血の統世王』 その絶大なる能 力(チカラ)をも。
 しかし。
 ソレに比べて、この少女のコトは一体どうなのか?
 幾ら数多の紅世の王を、その絶大な能 力(チカラ)の許配下に()いた
狂気と戦慄の魔皇だったとしても。
 彼の者に引き較べ、この少女はあの男にとって
そんなにも 「軽い」 存在なのか?
 先刻の少女の問い。
 一見無意味としか映らない要求は早々に謝絶し、
己の修練に時を注げればソレで良いとでも考えたのだろうか?
 どんなに荒唐無稽な要求であろうとも、ソレに込められたこの少女の想いは、
真実(ほんとう)で在るというコトに気づかずに。
 少女が 『一体何の為に』 今新たに能 力(チカラ)を欲しているのかも汲み取れずに。
「……」
 押し黙ったまま長考するアラストールを後目に、
その頭上の少女は今日何度目か解らなくなった 「失敗」 の影響で
力の抜けた片膝を石畳の上に付き、荒れた呼吸を戻そうと躍起になっている。
「く……ぅぅ……出な……い……!」
 悔恨に涙を滲ませ、震えるその口唇をきつく引き結び、
ようやく漏れたその言葉。
「弱音」 とも呼べない、今日初めての少女の 「弱音」
 そこに至るまでの過程を知る者ならば誰も彼女を責めるコト等あるまいが、
しかしその張本人である少女だけは、未熟な己を責め続ける。
 自分の能 力(チカラ)のスベテは。
 そして存在のスベテは。
 決して “自分だけのモノではない” というコトを知っているが故に。
(!?)
 その、疲弊した少女の脳裡に、出し抜けに一つの 『設問』 が思い浮んだ。
 追いつめられた状況と新たな境地を切り開こうとする必死さが、
半ば偶発的に生み出したいわば精神の防衛規制。


 問題です。
 一体どうやって 『幽波紋(スタンド)』 を発現させますか?
 3択−ひとつだけ選びなさい。


答え@強靭無比、完全無欠のフレイムヘイズ、空条シャナは、
   突如眠っていた 『幽波紋(スタンド)』 の才能が目醒める。

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