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STARDUST唐eLAMEHAZE
第二部 WONDERING DESTINY
CHAPTER#2
SCARLET MIRAGE
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【1】

「えいッ!」
「このォッ!」
「だぁぁッ!」
「出ろォォッ!」
 深紅の炎揺らめく鳥居の背景が夕焼けに移り、
斜陽に(からす) の鳴き声が響き渡る黄昏時。
 弛まぬ少女の喊声が神社に響き続ける。
 ロクに休 息(インターバル)も取らず、無頼の青年に諭された
幽波紋(スタンド)』 の発現()し方を愚直に繰り返し続けてもう3時間以上。
“傍に立つ” どころかその影の片鱗すらも、
少女が脳裡に想い描くソレは未だ姿を視せない。
 在るのは少女の深紅の髪から、その全身から迸り続けた
多量の火の粉に灼き焦がされた石畳と、そこに染み込んだ汗の跡。
「く、うぅ」
 最早心身共に疲労困憊で、いつ倒れてもおかしくない状態だったが、
己が「目的」を果たさない内に力尽きるコトさえ 「甘え」 だと認識している
誇り高き少女は、危局に在っても尚激しく燃え上がる真紅の双眸を
研ぎ澄ませて立ち上がり、全霊を込めて仕儀に入る。
「……」
 安易な 「結果」 だけを追い求めない。
『向かっていれば必ず辿り着ける』
 アノ人がくれた一つの言葉。
 ソレだけをただひたむきに信じて。 
 胸元のアラストールは何も云わず、ただ少女のヤるコトを傍で見護り続ける。
「……」
 正直、 “よもや” という想いは在った。
 通常のフレイムヘイズならまだしも、その中でも例外的な存在、
“天壌の劫火” 足る己の全存在を呑み尽くしてもその 「器」 が
微塵も揺るがないこの少女、“シャナ” で在るならば。
 しかし、やはり件の人物の言った通り、
無いモノは出現しないのであろう。
 どれだけ強大な力を有していても。
 その戦歴が、如何に輝かしいモノで在ったとしても。
 少女が少女で在る限り、どれだけ足掻いても 『男』 にはなれないのと同じように。
「……」
 そう思い至って押し黙る “天壌の劫火” の心中に、一抹の疑念が過ぎる。
 件のあの男は。
 空条 承太郎は。
 本当に “こうなるコト” が予想出来なかったのであろうか?
 共に過ごした時間こそ短いものの、同じ戦地にて幾度もその背を合わせた者通し。
 少女がどのような気質の持ち主なのか、
鋭い洞察力と深い観察眼とを併せ持つ “あの者なら”、
類推出来ないわけがない。
 ソレならば。
 もっと他に言い様も在った筈だ。
 一端 「保留」 して於いて、後日その 『能力』 を取得出来る可能性を模索するコト。
 いきなり実践から入らず、まずはその能 力(チカラ)の概要について討究するコト。 
 有益な選択肢は数多(すうた)在った筈。
 少なくとも、このように無意味で非合理な、
報われない反復動作を繰り返すよりは遙かに。
 それなのに、本当に必要
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