機動戦艦ナデシコ
1411話
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」
いつもの如く偽名を名乗ったヤマダの言葉に、そう言葉を挟む。
すると当然こちらもまた、ヤマダは叫ぶ。
「だから、ヤマダ・ジロウは偽りの名前! 俺はダイゴウジ・ガイだって言ってるだろ!」
「えっと、その……どちらなんですか?」
少し戸惑ったように尋ねてくる桜咲だったが、俺が出来るのはそれに肩を竦めるという行為だけ。
「本名はヤマダ・ジロウ。ただ、自分の名前を気にくわないらしくてな。ダイゴウジ・ガイという事にしているらしい。……そんな事をしても、戸籍とかIDとかそういうのはヤマダ・ジロウなんだから意味はないんだが」
「……この世界の人は随分と変わった人が多いんですね」
「ちょっと待った! この世界でもヤマダ君のような人は滅多にいないよ!」
俺と桜咲の会話を聞いていたアカツキが、このままではナデシコ世界全てがヤマダのような人物だと誤解されるかもしれない……と思ったのだろう。慌ててそう告げてくる。
いやまぁ、その気持ちは分からないでもない。
俺だってシャドウミラーが全部ヤマダと同じような人間だけだと言われれば、声を大にして否と言うだろうから。
「彼はその……ナデシコの乗員としても色々と特殊な人なんだ。他の人はもっとこう……」
そこまで告げたアカツキだったが、顔が強張る。
うん、ナデシコに乗ってる乗員は基本的に腕は一流でも性格に問題がある奴が多いからな。
まともそうなメグミも、さっきのヤマダとのやり取りを見ていればちょっとまともには見えないし。
ともあれ、ヤマダについての騒動はそこで一旦落ち着き、次は神楽坂が前に出る。
「えっと、何だか普通に私の出番が飛ばされたんだけど……私も自己紹介するのよね? 神楽坂明日菜よ。よろしくね」
ヤマダに出番を奪われた神楽坂の言葉に、当然のように真っ先に反応したのはアカツキ。
「いやいや、アクセル。君の国には何だってこんなに美人が……それもとびきりの美人ばかりが揃ってるんだい? 羨ましい、羨ましいねぇ。いっそ僕もシャドウミラーの所属になりたいかな」
「ネルガルはどうするんだよ、ネルガルは」
「別にシャドウミラーに所属したままネルガルの会長を続けても構わないだろう? 社長派に任せるような真似だけは絶対に出来ないけど、そっちは今回の件でどうにかなりそうだしね」
まぁ、実際問題ネルガルの会長がシャドウミラーに所属するというのは決して有り得ない話ではない。
ネルガルそのものがシャドウミラーに所属するという事になれば、税収の問題はあるのだが、会長だけなら……
いや、でも会長がシャドウミラー所属という事になれば、当然ネルガルも会長の意向でシャドウミラーが関係してくる事になりかねないか。
まぁ、アカツキが言ってるのはまず冗談だ
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