第7話 純粋なる歪
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真名は兎も角クラスが分からない。自分が経験してきた聖杯戦争はどれも異常だったので、そう言う事もあるだろう。
では何が納得できないのかと言うと。
(コイツは本当英雄・反英雄の類なのか?)
自身が巻き込まれた聖杯戦争に加えて、キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグの下での第二魔法により幾多の世界に送られた時の数多の英霊との邂逅で、士郎は真名こそ見極められるわけではないが天・地・人・星と言うカテゴリーを見極められる観察眼を具えていた。
それ故に、だからこその疑問だった。
(サーヴァントである事は間違いないが、コイツはどの英霊とも違う“何か”だ――――いや、それよりも今は・・・・・・!)
「シロウっ!?」
シーマの驚きの声など構わずに、士郎は腰を抜かしている男性を助ける為に行動に移す。
例え世界中の人を助けることが叶わずとも、自分の手が届く範囲の人たちだけは必ず救って見せる――――と言うのが士郎の新たな誓いなのだから。
「っ!?」
しかし男性を見下ろしていた“何か”はいつの間にかに居なくなっていた。
「消えた?―――――いや!」
セオリー通りであれば後ろに居ると振り向くと、シーマも同意見だったようで振りむいて自分に背中を向けていた。
そして予想通り2人の背後に居た。ただし・・・・・・。
『な、に・・・!?』
まるで興味が無いと言わんばかりに、2人の背後から――――と言うよりも、この場から去ろうとしていた。いや、現在進行形で遠のいていく。
「待て!」
「待つのはお主だ、シロウ!」
「如何して止める!」
自分の肩を掴んで制止するシーマに抗議するために振り向くと、当人は非常に悔しそうに凛々しい顔を歪めていた。
「今の我らではアレには勝てん!死にに行くようなものだ・・・!」
「だが・・・!」
「それにもう姿など見えんし、気配を拾えるか?」
そんな事と反発して気配探知で周囲を探すが、シーマの言葉通り全く引っかからなくなっていた。
「クソっ」
「拾えなくてもおかしくは無い。何せ我ら2人とも、先のアヤツを視認して初めて姿を確認できたくらいだ。それで如何する?それでも探すか?」
「・・・・・・いや、今はあの人の保護や後処理を優先しよう。百代に近づくと探知すればスカサハから連絡が入る筈だ」
「わかった。・・・・・・ん?この男、あまりのショックで気絶しておるな」
行動方針を切り替えて即座に民家の中に足を踏み入ると、あの“何か”に終始怯えていた男が気絶していた。
さらに男の近くには美女が2人ほど倒れていて、同じように気絶していた。
「この人達も気絶しているだけか・・
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