第19話
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〜夕方・トールズ士官学院・屋上〜
「…………………………」
エリゼが走り去るとリィンは肩を落として黙り込んだ。
「ちょっと……!何をボケっとしてるの!?」
するとその時アリサの声が聞こえ、声を聞いたリィンが驚いて振り向くとアリサ達がリィンを見つめていた。
「ちょ、何で……」
アリサ達の登場に驚いたリィンはクラスメイト達を見回したが
「ああもう、聞いちゃったのは謝るけど……!早く追いかけなさいってば!」
「妹さん、泣いていましたよ?」
「!!」
エマの言葉を聞くと目を見開いて驚いた。
「色々あるんだろうけどまずは追いかけてあげないと!」
「ああ、それが兄の義務だろう。」
「……わかった。みんなも妹を見かけたら声をかけてやってくれ!」
エリオットとガイウスの言葉に頷いたリィンは真剣な表情でアリサ達を見つめた。
「ああ、とっとと行きたまえ。」
「フッ、平手打ちのひとつでも貰ってくるんだな。」
「うふふ、ひとつですめばいいのだけどね♪」
マキアスと共にリィンを促したユーシスの言葉を聞いたレンはからかいの表情で呟いた。その後リィンはエリゼを探して校舎内を駆け回り、途中で誰かを探している様子のラウラを見かけて声をかけた。
〜校舎内〜
「ラウラ……!もしかしてエリゼを!?」
「うん、先程連絡を受けてな。探している最中だ。」
「ありがとう……恩に着る。」
いや……まだ成果は出てない。礼など後にとっておくがよい。……それよりも、大まかな事情は聞いたぞ。」
リィンに礼を言われたラウラは首を横に振った後リィンを見つめた。
「……そうか。……悪い。身内のいざこざに付き合わせてしまって。」
「……貴族というものには様々なしがらみがある。特に、そなたの事情は貴族の中にあっても特殊だ。そなたの気持ちもわからないでもない。」
「ラウラ……」
「だが、今回の一連の話を聞いてひとつだけ思ったこともある。―――そなたの見出した道は、決して『逃げ』ではない……妹御に胸を張ってそう言えるか?」
「………………!」
ラウラの指摘によって図星を突かれたリィンは目を見開いて黙り込んだ。
「……いや、よそう。現時点で迷いのある私が偉そうに言えることでもないな。」
「そんなことはないさ。こっちはよろしく頼む。俺は別の場所を探してみるよ。」
「うん、任せておけ。」
その後エリゼを探し回っていたリィンは今度はフィーを見かけ、エリゼの手がかりを探す為に声をかけた。
〜グラウンド〜
「ん……ここにもいないか。」
「フィー……?もしかして、エリゼを探し
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